①
「……ですって!」
「うそでしょ!?その相手は一体誰なの?」
「さあ…顔までは見てないらしいけど。間違いなくここのメイドの誰かだって…」
最近、なんだかメイドさん達が騒がしい。
みんなでヒソヒソと話しては、慌ただしくしてる。
しかも…
「あっ…セツ様、おはようございます!」
「今日も変わらず可憐でお美しいですわね~!」
「え…あ、ありがとう…?」
何故だかオレを認めると…
こうしてバツが悪そうにしながら、逃げていってしまうのだ。
(オレ、なんかやらかしたっけ…)
メイドさんと言えど、女子にああいう態度を取られるのは、落ち着かないわけで。
原因は一体なんぞやと、頭を巡らせるけど。
特に思い当たる節もないし…。
グイグイ行くタイプではないけど、人付き合いは昔から良い方だったし?メイドさんに陰口言われるようなこともなく、オレ的には馴染めてると思ってたんだけどなぁ。
まあ、メイドさんの様子からすると…嫌われてるとかじゃあなさそうなんだが。
さすがに気になってしまうのは、仕方ないってもんだよね…。
うーん、ホントなんなんだろ?
「セツ~やっと解ったぜ!」
そんなオレに気付いた…や、あれだけメイドさんの態度があからさまだったら誰でも気付くだろうけども。
オレの為にと、ジーナが真相をつきとめてくれたようで…。勢い良く現れたかと思えば、颯爽とオレの元へと駆け寄ってきた。
後ろから、相方のロロもついて来る。
「ジーナ、やっぱりセツには言わない方が…」
追っかける形でやってきたロロは、慌てた様子でジーナを制止し始めて…。
意味深なそれに。オレは不安を抱きつつ、首を傾げる。
「んあ?けどさ、このままじゃあ解決しねーだろ~?セツだって気になって勉強が手につかなくなってるし…」
「けど、ルーが…だよ?」
真相を語ろうとするジーナに、言葉を濁すロロ。
その口から思いもよらぬ名が飛び出して…。
目敏く反応するオレは、すぐさまふたりに詰め寄った。
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