解呪するため俺は魔法少女の胸を揉まなければならないッ!
武者丸
プロローグ
突然だが、運命というものを信じるとするなら俺は、その運命を決めたか作った神を全力で呪ってやろうと思っている。
ここは、つい15分ほど前まで、沢山の木々が生い茂っていた山だったが、先ほどの戦闘が原因で、辺りには真っ黒に焼かれた木々が転がり、焦げ臭い匂いに包まれている。
そんな中、俺は今一人の少女を組み伏せ、左胸を鷲掴みにしている。
少女は、背中を背に倒れこみ、気を失っているのか無防備に目を閉じ、半開きになっていた口からは、触った反応なのか熱のこもった吐息が吐かれている。
「んっ、んッ」
この子とは、面識はほぼ無い。
一見してこの状況は、見る人が見たら……いや、この光景を見た常識のある人からすれば、確実に少女に対しての痴漢行為をしていると言っても違いないだろう。
実際その通りだ。
彼女に許可を取ってはいない。
彼女の胸から手を離し立ち上がる。
きっとこれが漫画だったら、このタイミングで目を覚まし、平手打ちを一発頬にお見舞されるだろう。
だが、そんなことは起こらず、目的を達成した証拠に、右肩に乗っている【ヤツ】から声をかけられた。
「おい。時間だ。そろそろ増援が来る頃だぞ。」
「その反応だと、今回も違ったのか……。全く、俺はいつまでこんなこと続けなくちゃいけないんだよ……。」
「泣き言は、ここから離れてから言うんだな。捕まったら俺様も困るが、それ以上に困るのはお前なんだぜ?魔法少女への強制わいせつ罪で日本中にお前の名が……。」
「分かったから止めてくれ。ただでさえ罪悪感でいっぱいなのに、これ以上俺を追い詰めないでくれ。それに……俺は絶対にこの忌々しい呪いを解いてみせる。俺の平穏な日常を取り戻すため。そして、俺の明るい人生設計のために。」
男はそう言い残すと、倒れている彼女を見つかりやすい岩の上へ移動させ、夜の暗い森へ消えて行った。
これは、とある男が自身にかかっている呪いを解くための話である。
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