幕間
黒髪乙女は大和撫子か
あの魔法少女狩りがまた魔法少女を襲って病院送りにしたらしい。
知り合いの魔法少女からそんな噂を聞いた。
まったく同じ魔法少女なのに戦うなんてナンセンスね。
なんにせよ気をつけなきゃ。いつ、魔法少女狩りが私の前に現れるか分からないんだし。
そんなことを考えていると、近くで大きな衝撃音がした。
まさか…ヴェイグリア!!
私は急いで音の方向へ向かうと、そこには横たえたヴェイグリア。そしてその前には制服姿の黒髪ショートの女子高生が立っていた。
「あなた、大丈夫?」
私と同じ魔法少女なのだと思って女子高生へ声をかける。
よかった。見た感じ怪我はしてないようね。
「あ。どうも。」
目の前の女子高生が私のほうに振り向く。
じっとコチラを見つめる瞳はガラス玉みたいに透き通っていて、どこか感情が見えない。
ここで私はどこか違和感を目の前の彼女に感じた。
何か……雰囲気がおかしい………歪だ。
まさか魔法少女じゃない……?なら通りかかった一般人
いや、どっちとも違う。私の勘に過ぎないけど、どこか普通の少女とも、魔法少女とも違う変わった雰囲気を感じる。
まさかヴェイグリア?
でも、ヴェイグリアが人間に化けているようには全然見えない。
何者なの……この子。
私の思い過ごしかもしれない。でも、この子をこのまま放ってはおけない。
「答えなさい……あなた、人なの?…ヴェイグリアなの?」
黒髪女子高生に剣を構える。
しかし彼女は眉一つ動かさない。
やっぱり不気味ね………。剣を握る手に力がこもる
「さぁ?確かめてでも見ます?」
そんな緊張を感じる私に対して、剣を向けられている側の彼女はクラスメイトとの雑談くらい平然とした様子でそう言い、ふっと笑った。
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