第3話

 サメは人波をかき分け泳いでいた。昼間の街頭でサメは気の向くまま漂い続ける。

 腹は満たされている。昨晩喰った男は、高層マンションに住んでいた。闇は地表だけでなく、夜空もまた闇に満たされる。

 サメは夜空の闇の中でその男を見つけた。最上階に住むその男は、下ばかり見下ろしてサメに気がつかなかった。

 サメは男の頭から喰らいついた。上半身を噛み千切り下半身は床へと転がった。床は男の血で汚れ、その血の池にサメは潜った。

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