第14話 シールド戦隊の日常4
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連絡から急いで駆けつけると真っ先に星那が倒れているのが見える。すぐに駆け寄ると星那が息も絶え絶えに言葉を発する。
「達彦を」
確かに達彦の姿が見当たらない。すぐに見回すと達彦が怪人に首を締め上げられていた。私はすぐに行動に移る。
「ヘビーナックル」
アクロバットの後跳躍し、重い一撃を食らわせる技だ。私の武器シールドナックルを使った必殺技の一つである。
グブッ。
後頭部に食らわせた。手の中の達彦は落ち、怪人は怯んだ。続けて攻撃する。
「龍虎波動、爆」
右手と左手に出来る特殊な磁場を爆風に変える至近距離の技だ。
ドーン
怪人は大きく飛ばされ、距離が出来た。
「大丈夫、達彦」
「ああ、なんとか。ありがとう」
少し咳き込んでいたが、なんとか動けそうだ。
「良かった」
「ウオーーー」
しかしさすが上級怪人。必殺技を二つも食らわせたが、ピンピンしている。
「ジャマダジャマダジャマダー」
こちらに迫ってくる。他の二人が来るまで待つか。
「龍虎波動、愛」
今度は直線上に重力場を張る技だ。連携の時の技だが、時間稼ぎにはなる。
こちらに向かってくるスピードが弱まる。歩くよりも遅いスピードだ。これなら二人も回復出来るだろう。
「クロス・ザ・ラフィング」
そう言っている間に星那が回復したようだ。遠距離技で援護している。
「ウグッ」
しばらく怪人の足が止まった。なんとか持つか。
「待たせたな」
「お待たせ」
少しして守人と帯人が来た。これでなんとかなる。波動を解いた。これで結構きつい。
「ウオーーー」
と、すぐにこっちに突っ込んできた。
「イージスガード」
レッドが大盾で怪人の体当たりをガードした。敵が吹っ飛ぶ。
「星那、達彦、まだ動ける」
私はその隙を使い、二人に呼びかける。
「ああ、もう大丈夫だ」
「ええ」
力強い返事が帰ってきた。
「じゃあ五人連携技行くわよ」
私も精一杯力強く言う。
「大丈夫なのか、お前は」
しかし守人には見抜かれていたようだ。
「ぎりぎり、ね。さあ行くわよ」
「「「「了解」」」」
「「「「「グングニル・サン」」」」」
私が一の矢である。アクロバットをしながら相手の頭上をめがけて飛ぶ。その際、
「龍虎波動、爆」
爆風を使って超跳躍をする。ダメージが出ないように少し弱めに出している。そして、
「龍虎波動、愛」
頭上からの重力場だ。かなり力を込める。相手は一歩も動けないはずだ。
「「脱兎のごとく」」
「ソードクラッシュ、三の型」
守人が突きの姿勢に入り、星那と達彦が力を込めた一撃で守人を帯人の方に飛ばす。
「イージスシールド」
そして帯人が大盾で相手の方向に守人を弾き飛ばす。五人連携技グングニル・サンの完成だ。
ドーン。
守人の剣が怪人を貫いた。ちょうどその時、私が落ちてくる。ダメ押しだ。
「龍虎波動、大爆」
ドドーン。
「「「「「最強コンボ、終」」」」」
私達五人の秘技だ。
「ウオーーー、ウオーーー、ウオーーー」
と、怪人がもがきながら大きくなっていく。中級以上の怪人は、皆この現象が起こる。
「シールド戦隊、準備は出来ておるぞ」
犬塚さんの声が聞こえてきた。
「「「「「了解」」」」」
「シールドレッドバード」
「シールドブルーブルドーザー」
「シールドグリーンダンプカー」
「シールドイエローカー」
「シールドピンクタンク」
それぞれがそれぞれの専用機を呼ぶ。
「「「「「合身、シールドアタッカー」」」」」
そして合体する。巨大化には巨大化だ。こちらも巨大ロボットで対抗する。
「シネシネシネシネ」
怪人は右腕からハルバードを生成していた。だいぶ手際が良い。さっきまでの猛突猛進な感じとは違う。怪人はハルバードを右に払い、左に払い、そして突いてくる。合体した後の隙を突かれたので全て食らってしまう。衝撃で数歩下がった。相手はそのまま攻撃を更に繰り出してくる。
「「「「「シールドバルカン」」」」」
頭部から弾丸を撃って威嚇する。ヒットこそしなかったが、体勢は崩せた。
「「「「「スーパーコンボ」」」」」
そして相手の又を蹴り上げて、上に飛ばす。その後自分も飛び上がって相手を下に叩きつけた。
「「「「「シールドスーパーソード」」」」」
怪人が立ち上がったところで攻撃を畳み掛ける。
「「「「「シールドクラッシュ、四の型」」」」」
四の型は切り抜けだ。
「ウゴォー」
怪人が苦しんでいる。とどめだ。
「「「「「ダイナミックランチャー」」」」」
四肢と頭部から特殊な磁場を作り出す装置が出てきて、エネルギーを溜めて放出する。シールドアタッカーの大技だ。
ドーン、ドカーン、バーン
怪人はもろに食らう。そして大爆発の後小さな矛になった。私達はロボットを降りて矛を折りに行く。
「レッド、お願い」
私個人はかなり消耗していたので、一番元気そうなレッドに任せる。
「任せろ。回転跳躍。からのー、スーパーチョップ」
矛は折れて蒸発するように消えていった。これで一段落と言ったところなのだが、私は少し腑に落ちないことがあった。
「犬塚さん。今のが私達の追っていた鏡の怪人ですか」
「いや、それなんじゃが」
「僕から説明するよーー」
と達彦が割って入ってきた。皆で達彦の説明を聞く。
なるほど、そういうことか。まだ他に鏡の怪人はいる。戦いはまだ続きそうね。ちらっと幸治の顔が浮かび、私はすぐに振り払った。これは市民の平和のため、だ。つづく。
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