日本の日常
モグラ研二
楽しい温泉旅行
ぽっちゃり体型で金髪ロングの若い男は更衣室で全裸となり、持ち込んでいたバッグを漁り、一匹の、緑色の細長い虫を取り出す。虫はぐったりしていて僅かにしか動かない。
男は木製の引き戸を開けて浴場に入り、掛け湯もしないで湯船まで歩いていく。湯船には入らず、男は持っている緑色の細長い虫を湯船に浸した。
湯に浸された緑色の細長い虫の尻から、黒く長い長いウネウネと動くものがでてきた。緑色の細長い虫から完全に離れて、黒く長い長いものは、湯船の向こう側に消えていく。
「キモ!でも、いいよね!」
男は虫をその辺に放り投げ、結局湯船には入らずにまた更衣室に戻り、衣服を着て、その旅館から去った。
後日やって来た子供連れのおっさんが湯船に入ると、待ち構えていた黒く長い長いウネウネした生き物はおっさんにバレることなく、おっさんの毛深い肛門のなかに入り込む。
肛門から入り、ハラワタ、脳みそへ。
子供連れは自宅に帰る。
「ウボ!ウボボ!」
ふくよかな感じで、柔らかな表情、優しいお父さんという印象しかないおっさんが、突然、顔を真っ赤にして絶叫。
「パパ?どうしたの?ウボボってなに?」
無垢な顔で聞く坊主頭の男の子。
おっさんは、口から、ボタボタと赤黒い泥のようなものを吐き出した。
「ウボラ!ウボ!ウボボ!」
おっさんは充血した目を見開いて絶叫すると、着ていたポロシャツとジーンズ、白いブリーフを脱ぎ捨てて全裸となる。
おっさんのチンポコは真っ赤になりギンギンに勃起。
おっさんは鉈を持ち出して太りぎみの肉体からは想像できぬ速さで動き、子供たちを惨殺して死体をバラバラにし、そのハラワタをモシャモシャと喰らった。
「ウボラ!ウボ!ウボ!」
おっさんが腹一杯になり全裸のままリビングで眠ると、おっさんの毛深い肛門から、スルスルと黒く長い長いウネウネした生き物が、這い出て行った。
おっさんの勃起したチンポコは萎えた。全身から生気が失われた。
体のどの部分も、動いていない。
……あの黒く長い長いウネウネした生き物は?
どこに行ったかわからない。
だが、その辺の虫の中に、再び入り込んだのだろうことは、容易に想像が可能だ。
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