異世界で不労取得を目指す

@nearnao

第1話 プロローグ

目を擦る。


なぜ眩しいのか、いつもは朝日も入らない部屋で目覚ましをいくつも解除しながら起きる。

いわゆる、ドラマや小説で言われる起きて朝日が眩しいとかの幻想は自分のマンションにはない。


ひたすらに歯磨きや朝のシャワーがめんどくさいと思う日々。

某医療機器の営業として、ひたすらに業務をこなすだけの日常。


この小説は事故やよくわからない前世だのがあるわけでもない中での異世界転生で記憶がない中、人外なチートを生かし

主人公、将暉(マサキ)が自由奔放に生きていく物語である。


自分である将暉は自己および他者評価は低くなく、それなりに生きてきた。


金曜に会社の上司と同僚と飲みに行き、

一気飲みが祟ったのか千鳥足とも形容し難い足取りで自宅に戻っているときに気づいたら、いたのは背が腰まである鬱蒼とした見知らぬ草々に囲まれた見慣れぬ景色の中で涎を垂らしながら爆睡していた。


起きて早々、

「あー、気持ちわる、吐きそう」などと悪態をついている。

もちろん、それらに反応してくれる人は周りにいない。

周りに水もなく、日常と比べて異常な景色である。


俗に言う空気が美味しいだの自然が綺麗だのそんな事を思うこともなく、何も考えれない状態で呆然と10分はその場にいただろう。


「うん。もう一回寝よ。」

寝心地の悪さなど気にもせず、二度寝を決め込もうとしたがギャギャギャとうるさい。


見てみるとウサギ程もある真緑の昆虫みたいなのものに囲まれている。

「キメェー」

叫びながら飛び上がる。


すぐさま携帯を探すがその場にない。

とりあえず逃げるために辺りを見回す。

手頃な木が生えてたのでよじ登ったのはいいのだが、もちろん昆虫もどきも追って登ってくる。

「バカかよ。昆虫なら登れるだろう。」

そんなことも思いつかなかった自分を自嘲し死に物狂いで飛び降り逃げる。

「いてぇ、くそ。」


どれくらい走っただろうか、パジャマとして使ってる着古した服で裸足である。

足の裏がひどく痛い。

とりあえず、安全そうなところを見つけなければ。


少し先に森が開けてる雰囲気がある。

とりあえずはそこまで我慢して行くしかない。

もちろん、舗装されてるわけもない。


都会1人暮らしの自分にとっては見慣れぬ道もどき脇で一休みすることにした。

「まじビビった。足裏きたねー。携帯なんでないんだよ。」と愚痴をひたすら脈絡なく呟くのである。

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