第三話 リンゲル砦&転章

では」

「ええ、また会えることを願っています」


馬車にお世話になった彼らとはここで別れる。

あとはリンゲル砦まで歩いていく。






しばらく歩き、そろそろお昼という時。


ガサッヒュン

(矢か)

自作の剣で弾く。


「おい死ねっ」


斬りかかって来るが、隙だらけの足下を蹴り跳ばす。


「ぐあっ」


頭を蹴って気絶させる。


「ひっ」


仲間があっという間に無力化されたのに怖じ気ずいたのか、怯んだ奴を持ち上げて矢を射った奴にぶん投げる。


「「がっ」」


両方とも気絶した。


「うーん、どうしよう」


馬車がないのでロープで引き摺ることにした。




(おおーここが、リンゲル砦か)


見張りが声をかけてきた。


「おい、所属と階級、名前は?」

「ギリショペクチェの、新兵、フリッシュです」

「了解した。それと、ここへ来たに···」


話ながら、俺は考え事をしていた。


(戦争。か、··全ては、あの時から、なんだろうな)


俺は、あの時のことを、思い返していた。









■■■■■■■■■■


「起きなさい」

「びえっっっっっっくし、おお、朝かの」

「否定。ここには時間はありません」

「なら、お迎えかの?」

「否定。私は送り出す者です」

「?」

「覚えておられませんか?先程···


とある人知の及ばぬ地にて、三十年に一回の魂の整理整頓が行われた。そして別の世界と魂の交換も、慣例行事になっている。


「では!ルーレットスタート!」


司会が盛り上げる。


『デケテケデケテケダラダラダラダラトトトラトトトラ···デテテテーーン』

「えーと、···おっ人だ!giec21443276!おめでとうございます!」








と、言ったことがありました。ああ、面倒なので、これくらいで」

「はい?」

「行ってらっしゃいませ」

「いやまつのじゃ、ワシの子供は?AIは?」

「認められません」

「せめて何処へ送り出されるのか教えてくれ」

「さようなら」


視界がだんだんと白くなっていく。同時に声が聴こえる。


「まてーーーーーーーーー!!」


あれは、なんだったのだろう?






「まてーーーーーーーーー!!(間に合え!)」

「リョル様!?」


光が消えた。


「はぁ、はぁ、はぁ、···」ドサッ

「大丈夫ですか?」

「いや、全然だめ」

「何かあったんですか?」

「後で、報告書、渡す、から、それ、みて」

「はい?」

「それより、後始末、しないと!」



リョル様は転がるようにして部屋を出ていった。



作者メモ

大分前の、■■■様は、リョル様です。

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