第二話 教官の話
食堂から、教官の部屋へ来た。ノックをする。
「失礼します。フリッツ新兵です。」
「入れ。そこに掛けろ。・・・さて。食堂で話していた通り、お前はリンゲル砦だ。ま、自分のついてなさは諦めな。」
「今ほど神を呪った事はありませんよ。」
畳んだ紙を唇に人差し指に添えながら差し出してきた。とりあえず音を立てないように受け取り、目立たない所へ仕舞った。
「だが、ちょうどいい機会でもある。あそこは精鋭が揃っているからな。訓練も厳しくシゴがれるぞ。」
「今やっているメニューが腕立て千回、腹筋七百回、背筋七百回、懸垂六百回、ストレッチ三十分、タイム走三十分、持久走二時間、素振り三百回のこれらを朝晩二回とプラスで皆とやる訓練ですね。」
「ちょっといいか、まさかだが近衛騎士の手本ようなあの理想的なフォームでそれをやってるんじゃないよな?それならおそらく近衛騎士でも音を上げるぞ。」
「時間があればもっとやりますが。証拠に両足を開くと地面に付きますし。」
「すまん。こんな事言った俺がバカだった。」
「は?」
「ま。この際だから言っておく。生きて帰ってこいよ。」
「了解。」
「お前こういう時でも真面目だな。ま。いい加減就寝時刻過ぎてるしな。」
「失礼しました。」
ドア閉めた。
「さて。寝るか。」
廊下を歩き、宿舎の部屋に戻る。
「さて、吉と出るか凶と出るか。」
さっき教官からもらった紙を広げる。
いいか、よく聞け。リンゲル砦のカナリアが鳴いた。そして、ある作戦が進行中と俺の伝で聞いた。本当に気を引き締めて行ってこい。
「…」
カナリアとはおそらく哨戒員のことだろう。それが鳴いた?…つまり、…完全に凶じゃないか。もう笑うしかない。アハハハハ…あれ、この紙…透かし?
我らが師の手を握れば道は開く。
なんだこれ?我らが師って誰だ?
…考えても仕方ない。ねよ。
よ·く·じ·つ·でーす
起きる。着替えて、身だしなみを整えて、荷物をもって集合場所へgo!
「お、早いな。一番乗りだ。ええと、その荷物はなんだ?かなり多いみたいだが。」
「皆と違って一人旅ですからね。これくらいはないと。私物も含めたら百キロくらいになりました。」
「途中で潰れるなよ。ほい。ブツ」
ここでもらっているブツとは兵士などが異動の時に使う判子だ。サインとフリーパス(判子)が押された紙で支払い、後に商人が役所で相場の1,5倍で換金できる。
「行ってきます。」
「昨日の言葉は忘れてねえよな?」
「もちろんです。」
でっかいところ(それで通じる)から、城下町へ。そして、通行ギルド(商人などが通る道や、冒険者ギルドへの手続きをやってくれるギルド。あまりに盗賊への被害が大きいため、まとまって移動する事が容易になるように作られた。国営。)へ。ここはいつも賑わっている。
「すいません。今日リンゲル砦へ行くのですが。」
「はいはい。えーとーブルッサンブルク(リンゲル砦に最も近い街)へならありますね。二件だけですが。出発時刻は七の鐘(7時)です。西門で集合で番号は2です。遅れることのないように。お気をつけて。」
「ありがとう。」
今が六の鐘だから、ちょうど良い時間か。
西門。
集合場所の二番広場へ。七の鐘まで十五分くらいか。
「二番です。」
「ほいよ。あと一組か。あんたは兵士か?」
「はい、新兵なのに最前線へ行くことになった不幸な新兵です。」
「ハッハッハ、頑張れよ。」
「護衛は?」
「もうすぐのはずだ。」
「とりあえず自己紹介でもしませんか?」
「そうするか。お前ら、来い。」
今回のみの登場のため、…
カッッッットォォォォー!!!!!!!!!!
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