第4話 「次の停車駅は挑戦です。」
みゆは新しく担当になった先生に無理と言われ、以前まで担当だった先生に相談しに行ったが、その先生にも、「自分はもう担当を渡してしまったから手出しはできひんねん.........ほんとうに申し訳ないね.........」
と言われたらしい。まあ〜確かにルールがあるんだとすればそれは仕方ないが個人的に何とかせえやとは思った。
そう言われたみゆは、ずっと落ち込んでいた。
「なぁ〜みゆ〜そんな落ち込むなや〜なんか方法はあるやろ?一緒に探そうや?」
「そんなん無理やん.........絶対.........あの先生噂によれば、1回これって言うたらなかなか聞いてくれへんらしいで?」
「でも、方法はあるやろ?」
「お前には私のつらさなんかわからへんやん.........」
俺の中にはそんなことで辛いって言うてたらこの先どないすんねんと思ったが、確かに俺には分からないつらさがみゆにはあったのかもしれない。そんなことを思っていたら、スマホがなった。
スマホを見てみるとrailが1件見た瞬間に3件にふえた。
内容を確認すると、それは部活を作りたいメンバーたちからの連絡だった。
内容はみんな同じようなことが書いてあり、みゆをなぐさめて欲しいとのことだった。
毎日一緒にいる身としてみゆのことは色々とわかっているつもりであった。
俺はそれを快く受け入れた。
「なぁ〜みゆ?今日時間あったりする?」
「は?なんで?」
「ちょっと、俺に着いてきてくれへん?」
「は?お前とデートなんか嫌なんやけど.........」
「デ!デート!なんかちゃう.........し.........」
「なんで1回止めたん?」
「いや.........そりゃ.........」
「まぁいいよ〜」
「じゃあ今から京都行こうか!」
「は?京都?」
「うん!京阪にはな!1300円で買える、大阪・京都1日乗車券っていうのがあるねん!1300円で京阪本線・鴨東線・中之島線・宇治線・交野線・石清水八幡宮参道ケーブルが乗り放題やねん!」
「なに?お前の電車旅に付き合えと?それやったら嫌やねんけど.........」
「まぁいいから着いてきなはれ!1300円出したるから!」
「え〜まあわかった。」
そう言って、俺は1300円の切符を2人分買った。
「京都って言うてもどこまで行くん?」
「出町柳!」
「出町柳って、いつも帰りの電車が最後まで行くところちゃうん?」
「せやな!準急は出町柳ゆきが多いなー!」
「まぁ〜いいよ。何かわからんけど、現実逃避できるならなんでもええわ。」
「まもなく、2番線に準急出町柳ゆきが7両で到着します。黄色又は緑の乗車位置丸印の1番から7番でお待ちください。停車駅は萱島と萱島から出町柳までの各駅です。枚方市にはこの電車が先に到着します。枚方市で特急に連絡します。」
「萱島まではいつも4分くらいやけど、今放送で萱島から出町柳って言うところまで各駅に止まるっていうてたけど、何駅あるん?」
「萱島からはざっと26駅やな!」
「は!?26駅?そんなん何時間かかるん?」
「だから、枚方市で乗り換えるねん!俺の嫌いな.........」
「え.........嫌いなん?」
「理由聞くか?日暮れるぞ?」
「嫌じゃ!」
「聞いてーやー!」
「しばかれたい?」
「すみません.........」
「2番線の電車は準急出町柳ゆきです。次の停車駅は萱島です。」
そう放送が流れると、俺たちは京阪の最新鋭の車両である。13000系の準急に乗車した。
俺たちは13000系の準急に揺られながら、萱島に向かい、寝屋川車両基地を過ぎその後ひらパーの大きな観覧車を見ながら、枚方市駅に向かった。
そうして、枚方市で特急に乗り換えた。
ちなみに、この時やってきた特急は8000系通称ELEGANT SALOONだった。
プレミアムカーに乗せてあげたかったが珍しく満席だった。
だが、京阪の売りである、4号車のダブルデッカーが相手いたので、そこの2階に座った。
そうして、ELEGANT SALOONに揺れること約30分終点出町柳に到着した。
実は出町柳は京阪本線ではなく、鴨東線であるということをご存知だろうか。
じつは、京阪本線は起点の淀屋橋から三条までなのだ。そして残りの二駅、神宮丸太町と出町柳は鴨東線となる。京阪の車内にはられている停車駅の案内でも京阪本線と同じKHナンバーを使用しているのと、同じ車両で当たり前のように直通運転しているから、気づいていない人も多いだろう。
だが、俺的には三条ゆきの電車があるのは、そこが京阪本線の終点であるということを表していると勝手に思い込んでいる。
「着いたな!」
「すごいな.........終点の駅だけあってまあまあ大きい.........」
「お前に見せたいところがあるねん!着いてきて!」
そういい俺はみゆの手を引っ張って地上に上がった。
「ここ!」
「川?」
「普通の川ちゃうで!これが鴨川!」
「これ鴨川なん!!」
「お前の好きなアニメのオープニングに出てくるちゃうの?」
「うん!出てくる!」
「どう?本物見て?」
「いやー!すごいなー!本物やん!!」
「あれ?みゆさん?さっきまで落ち込んでたのはどこに行ったん?」
「うるさいなー!人を暗いやつみたいに言って!しばくで?」
「ははは!そこまで元気になったら大丈夫か!」
「まあ.........」
「でもみゆ?ここのさ風景がアニメ化されたのってなんでかわかる?」
「そりゃみんなが頑張って作ったから.........」
「せやんな!アニメ作る人みんながこれ作りましょ!頑張りましょ!面白いもの作りましょ!って頑張ったからやんな!」
「せやな.........」
「絶対作る時には反対もあったと思うよ。でも今その反対を押しのけて頑張って作って成功させてるやん!」
「せやな.........」
「実は、京阪も同じやねん。」
「どういうこと?」
「京阪は今度の1万円になる、渋沢栄一さんが作ってんな」
「そうなん!?」
「そうそう!でも京阪はできるまでに2回失敗してるねん.........」
「そうなんや.........それは大変やな.........」
「でも渋沢さんは諦めず、3回もチャレンジした。そしたら、3回目で努力が実り、京阪電気鉄道を作ることができた。だけど最初は天満橋から今の清水五条までしかなかってん。で、梅田まで伸ばそうとしたけど、戦争とか色んな事情で伸ばせなかった。」
「それは残念やな.........」
「でも、京阪は諦めへんかってん!そこから京阪は頑張って淀屋橋まで大阪市内の路線を伸ばした!」
「おー!すごい!」
「淀屋橋のみならず、京都側もより京都に近ずけようと、祇園四条や三条まで伸ばした。」
「やるやん!めっちゃ頑張ってる!!」
「そして、今いる出町柳まで伸ばした!」
「おー!」
「そして2008年。今度は中之島が発展すると言われ京阪は我先にと中之島に路線を伸ばした。けど.........それが早すぎて毎年大赤字を出す路線になってしまった.........」
「ありゃりゃ.........」
「このために作った、快速急行は中之島に1日数本しか来なくなったし、普通ばっかりしかこやん.........
そして中之島線開業記念に作られた3000系は2年前くらいまでは来てたけど、プレミアムカーが連結されてからは、特急運用と快速急行の運用に当てられて一切こうへんくなった.........」
「あかんやん.........裏目に出てしまったな.........」
「でも京阪は諦めず中之島線の営業続けて2018年開業から10周年を迎えたんや!」
「おー!それはすごい!」
「で!もうひとつビッグニュースが入ってきたんや!それは他の電鉄会社が大阪の再開発で中之島まで路線を伸ばすって言うんや!」
「そうなん!?」
「そして、京阪も夢の大阪市内梅田辺りか桜島辺りまで路線を伸ばせるかもしれへんらしい!昔梅田まで伸ばそうとして、色んな理由で失った路線をもう一度復活出来るかもしれへん!」
「それは良かったな〜!」
「とまぁ京阪の話はここまでにして.........ごめんな!京阪のこと一方的に喋って.........でも京阪のように努力や挑戦を続けてたらいつか成功したりその努力が実を結んだりするねん!」
「でも、私あんなに言われたらもう頑張れたりせーへんわ.........だって、京阪には鉄道が好きな人とかが応援してくれたりするし、株主さんとかがいてるやん.........株主さんとかがお金出してくれたりするやろ.........」
「何言ってるねん.........お前にもいてるやんけ応援してくれる人や株主さんが.........」
「は?」
「俺という.........応援する人.........株主.........?」
「.........」
「え.........」
「ははは!お前!それ!ははは!かっこいいと思って言ってるん?」
「いや.........だって!」
「お前さ!それ漫画やったらかっこいいで?でも.........お前やろ?」
「いや、めっちゃ言うやん!慰めたってるのに!」
「え?お前やろ?お前以外に慰められてたらそらちょっとキュン!ってしたりとか、なんか嬉しくなったりするかもやけど.........お前やろ?」
「いや、芸人のボケの方くらいめっちゃ言うやん!え?俺お前の中ではそんな下やったん?」
「え?今気づいたん?」
「うわあ〜こいつ慰められてても、自分の中で相手がしたなら、扱いめちゃくちゃにするねんや〜」
「お前はこのくらいの扱いで十分や!」
「あ、まだ言う?まだ言っちゃう?」
「でも.........ありがとう!なんかお前に言われたけど、頑張ってみようと思えてきたわ!」
「いや、一言余分な?」
「でも、わざわざここに来て言う必要あった?」
「え?あ〜実は俺もたまーに悩むことがあってさ.........」
「え!?お前も悩むん?」
「いや、人間やから.........悩むやろ.........」
「知らんかった.........」
「え?消されたいん?」
「いや、お前に消される前に私がお前消すから大丈夫!!」
「怖.........自信満々に言うところが恐ろしい.........」
「で、悩んでここに来てうぇんうぇん泣くと?」
「お前バカにしてるな?間違いなくしてるな?」
「してるよ?何か悪い?」
「悪いことをもはや丸いと思っていない.........」
「当たり前よ!お前やから!」
「なんや?こいつ.........でもこの鴨川を見るとなんでも悩みを忘れちゃうねんな〜お前にバカにされたことも.........」
「それは私も少しわかる気がする.........お前と同じ気持ちなるのは、なんか嫌やけど.........」
「だから一言余分な?」
「なーんかこの広くて長い川を見てたら何もかも忘れれるし、色んなことを想像できるな〜!」
「無視かよ.........」
「小さい子が水遊びをしてたり、ギターを弾いてる人や、散歩してる人.........ベンチに座って日向ぼっこしたり、空を見てゆっくりしてる人もいてる.........ここに座ってボーッとするのもいいよな!」
「やろやろ?悩んだ時こそ、この川にくるべきやな!って俺は思ったから連れてきてん!!」
「そうなんや.........なんかありがとう!いつもボロくそお前に言うてるけど、私のこと考えてくれて.........」
「一応自覚してるねんや.........じゃあやめようよ?」
「え?いや!」
「即答!」
「明日からまた頑張るか!!よし!そうと決まれば、また明日から一緒に色々考えてもらうからな!!お前今日家帰って色々考えてこい!!」
「ホンマに人使いの荒いやっちゃやで.........」
「帰ろっか!」
「へいへい!」
こうして、みゆは少し部活制作に向けて先生に説得してみようと言う決意をし、部活制作をするという挑戦に出た。
一応、以前の先生から説得したら出来るかもしれないから、上手いこと説得してみて!っと言われていたそうだ.........だが、みゆは今の先生にあれほど言われ少し傷ついていたらしい.........確かにわからなくもない.........俺も1度めんどうを見るとゆってやったのだから、最後までめんどうを見てやらないとなと思った。
アニメ.........俺は全く興味がなく、何もかもわからない.........だが、俺の近くで頑張る人がいて、めんどうを見てやると決めた人が、アニメ好きなら俺もそのアニメに対して力を注がなければならない.........
「みゆ?オタクはキモイ.........って言う偏見を無くしたいんやろ?」
「当たり前!」
「さっきも言うたけど、明日からその偏見を無くすために頑張って行こう!!」
「うん!」
「まもなく、1番線に特急淀屋橋ゆきが8両で到着します。」
この後俺たちは、ELEGANT SALOON 8000 SERIES のダブルデッカーに乗って枚方市まで向かい、枚方市で俺が京阪電車の中で1番大好きな車両、9000系の準急に乗り換えて、萱島まで帰った。
明日からどうなるか分からないが、なるようになると俺は思っていた。
(作者の猫耳ライムです。
次の停車駅は萱島です。第4話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
私自身京阪電車のことをあまり知らず、ネットで調べたり、テレビを見たり、また電車好きの友達に色々聞いたりしながら、この作品を書いています。
ちなみに、私は幼い頃から車が好きで電車のことについての知識は全くのゼロです。ですが、この作品を作るために色々勉強して、皆様を楽しませたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
また、たくさんの応援いつもありがとうございます!!励みになります!
次回からは、人物紹介をここにたせたらなと思っています!
次回もお楽しみに!)
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