最強の嫁がいるので、俺の出番はほとんど無いそうです。
@h_teramisu
プロローグ
良くある話らしいね。転生者は特別な力、ギフトを得て異世界無双し、勇者として扱われるなど。
けど、
それが叶わない世界ならどうなる?
答えは明確だ。
『死ねぇええええええッ!!』
大斧を振り下ろし、今にも体を真っ二つに切断されそうな俺。
その瞬間悟った。
あ、死ぬ。と。
しかし、走馬灯は見えないのだ。
どこから途もなく、走る足音が聞こえた気がした瞬間である。
振り下ろされた大斧が、俺の頭上
ギリギリの所で止まったのだ。
何故、止まっているのか。
視線を斧より下に向けると、フルプレートに覆われた騎士が大楯で相手の大斧を受け止めていたからだ。
「大丈夫か!? ミナト!!」
「あ、ああ‥‥シオンが今助けてくれたから大丈夫だ」
「そうか‥‥それは良かった」
大斧を受け止めている状態で俺への心配をし、尚且つ力負けせず、息も切らさない女騎士シオン。
こちらを見て心配していたが、相手にと言うか、後で話すがボスに視線を向けたシオン。
その瞬間、殺気と怒気をシオンから伝わる。
「貴様‥‥覚悟は出来ているのだろうな‥‥!」
『フンッ! 貴様等にやられる私では無い! 私は悪魔神モロクだ!! 貴様ら人間なぞ、有象無象の集団であり、我が供物、意外にしかならん存在よッ!!』
「愚か者め‥‥」
大斧を振り上げ、シオンへ再度振り下ろす。が、先程よりも一段と速く振り下ろしている気が‥‥する。
『死ねぇええええええッ!!』
先程も同じセリフを言っているが、あんなセリフを言うんだ。
多分! 速く振り下ろしている。気がする。
そう思った瞬間には大きな音を立て、辺りに土煙が舞い上がった。
って待て待て! え? シオンは!?
ま、まさか‥‥今の一撃で‥‥。
「シオンッ!!」
思わず叫ぶ。明らかに俺に放ったものよりも違う。
『ハハハハハハッ!! 所詮はただの人間よ‥‥。さて、男‥‥貴様、中々に旨そうなマナを保有しているな‥‥!』
牙の間からヨダレが滲み出て、口元から下へ垂れ落ちる。
「あー‥‥俺、絶対美味しく無いですよ‥‥?」
『安心せい、苦しまずに喰ってやる』
「‥‥お腹壊しますよ?」
『なら、しっかり焼いて喰ってやる』
「なら、抵抗はします」
拳を構えると、モロクが突然笑いだす。
『貴様の様な弱気者が抵抗、だと? フハハハハッ!! あの女騎士も可哀想だな! こんな、貧弱な男が同じ仲間だとは!!』
言った所だろうかモロクが突然驚いている。
土煙が晴れると数メートル離れた所で耐えきっているシオンがそこにいた。
『き、貴様ッ!! 何故、生きーー』
「ーー黙れ、クズが」
威圧、プレッシャーと言うべきか、辺りの空気が重くなり、息苦しくなるのが分かる。
『ーーフ、フフハハハ! だが、所詮貴様1人で私を倒せるとでも!? その男を守りながら戦うのはさぞ辛いだろう!』
「ああ、`1人ならな、」
シオンの言った直後、あらゆる方向から壁が崩れ落ちる音が聞こえる。
そして、
「
壁から勢い良く、飛び蹴りで登場した女性、格闘士のリンファ。
「抜刀 一の型
石の壁が細かく四角く斬られて、地面に散りばめられながら、登場した侍のシグレ。
「ラスターバレット! あ、ミナト‥‥無事で良かった」
2丁拳銃で壁に人が通れる穴を数発撃って、穴を開けた銃使いイルザ。
「ん、着いたね。ハァ‥‥超めんどいこのダンジョン。テレポが短距離しか飛べないし‥‥って、ミナト!」
文句を言いながらやってきたのは魔法使いのサラ。
5人の美女がほぼ同時に揃い、俺を見るなり駆け寄ろうとした。
「遅いぞ、4人とも」
先に到着していたシオンが後から来た4人へ言う。
「ごめん!」
「ごめんなさぁい」
「ごめん、ね」
「ごめーん!」
一斉にシオンへ謝罪を入れた後、
「そういえばコイツ、ミナトの事を貧弱と馬鹿にしていたな」
「「「「あ?」」」」
シオンの一言に対し、美女4人が一斉にモロクへ殺意と怒気を放つ。
そんなみんなへ思わず声を掛ける。
「あー‥‥お手柔らかに、ね?」
「「「「「無理!」」」」」
言った瞬間だろうか、突風が突如吹き荒れた後、いつの間にかモロクの背後へ回っている5人。
モロクが声を発すること無く、足から灰になり、散り散りに飛んでいく。
その後、ダンジョンを出ると外で待っていてくれた美女5名。
剣士ミリア、槌斧士ミーシャ、槍士アリス、弓士レム、錬金術師アンジェ。
「「「「「ミナトー! みんなー!おかえりー」」」」」
こうして、ダンジョン攻略は終わった。
先程話したが、ダンジョンに入った理由は後程話そう。
あ、そうそう。異世界転生して特別な力を得て、無双し勇者になれない世界とは。
俺の回りを取り囲む美女達が、
各武器の世界最強であり、既に世界を救ったからである。
「俺の出る幕は無い、とさ」
「ん? 何か言ったかミナト」
心配そうにこちらを見ながら言うシオンに微笑み、
「ん? 本日も平和なりッてね」
「そうだな」
「うん、さて! 我が家に戻りますかー!」
そして、そのまま自宅「英傑の団」の船に足を運ばせた。
それからしばらくして、自分達の団の船に到着する頃には日が落ち、夜へと変わっていた。
多分、今話している事に意味がわからない事が多いだろう。
この団が作られるまで、そして美女10人達との出会いや、これまでの冒険を話して行こうと思う
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