第8話とりあえず元の生活に戻れるが…

 今日、神宮さんがきてしばらくすると「午後3:00に呼びに来ますので」と看護師さんが僕のいる病室にきて言う。

 僕は、昨日神宮さんが買ってきてくれた小説を読みつつ、午後3:00まで待つことに。

 神宮さんが病院の売店で買ってきた小説を読んでみてわかったけど、神宮さんは戦国武将が好きなんだなと思った。まぁ、勉強になったらかいいか。

 そうしていると看護師さんが来て

「時間になったので診察室に移動するので、ついてきてください」

 そう言われたのでついて行く。もちろん神宮さんもついてきた。

 診察室につくとお父さんとお母さんもいた。

 医師が口を開く。

「検査結果は以上は無し。明日には退院してもいいけど、体育と汗をかくスポーツはまだやるな。あと、スマホは使ってもいいよ。それと、11月のいつでもいいから病院に来てくれ。」

 と言われた。

『これで退院できる!病院飯を食べなくてすむ』と思うとすごく嬉しい反面、もう食べることができないのかという寂しさも感じた。


 退院の日。

 退院の準備を両親と一緒にしていると、神宮さんがタブレット端末を持って病室に来た。

「やぁ、宮都君は初めまして、宮都君のご両親は2週間ぶりですね。改めて自己紹介を。私は神宮傑かみやすぐる冬華とうかの父です。あなた方に提案したいのですが、あなた方の家の隣は空き地でしたよね?その空き地に家を建てて、冬華を住まわせ、宮都君の身の回りのお世話をさせるということをしたいと冬華から相談があったのですがいいですか?」

 と言うと、

「いいですが、何故宮都の身の回りの事をしたいの?」

 とお母さんが険しい顔をして聞くと、神宮さんは

「あの時助けられて、"この人と一緒になりたい"と思ったからです。」

 おい!神谷さん!僕の両親の前で言わないで!恥ずかしいから!

 そう僕が思っていると、お母さんの顔が優しくなり、

「私にあなたを止める権利なんてないわ。あなたの人生だもの。」

 と言って了承した。お父さんも「右に同じです」と了承した。

 その時、僕に神宮さんが抱きついてきて、初めて笑った。可愛らしい笑顔だ。と思った。

 そのあと、神宮さんが退院の準備を手伝おうとしたので「私たちでやるから手伝わなくてもいいよ」と僕のお母さんが言うと「わかりました。では、お先に失礼します」と言って帰っていった。

 それからしばらくして退院の準備が終わったため僕たちも帰ることに。

 家に帰ってリビングに行くと鏡花が体育座りをして何かを呟いていた。








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