人物紹介: “陽坐する蛮嶺”ミルヒ・ラッテ

 ミルヒ・ラッテは、ミノタウロスのウィークリングです。


 身長は213cm。

 少女らしからぬ背丈ですが、薄い金色のウェーブロングや、つややかな長い睫毛、透き通った翡翠の瞳に、唇はさながら瑞々しい果実のよう──と、くどい言葉がどんどん出てくる感じの、御伽噺のお姫さまのような顔をしています。

 そんな愛らしい顔がはにかむように微笑んだ日には、「射程:2(30m)」「形状:貫通」で「対象に威力90(c10)+魔力」の効果を与えるかもしれませんね。

 彼女の首から下を見れば、「魔力より打点を参照した方が良いのでは」とか、「精神抵抗が楽そうだ」とか思うひとも出てくると思いますが……


 身長は213m。

 そうです。ウィークリングとはいえミノタウロスなのですから、ふわふわした髪の隙間から大きな野牛バイソンのような角が生えてますし、身体の方もやはりただの少女というわけではないのです。


 まず、手足はまるで肉食獣です。

 といっても、タイラントゴルギアスのような、暴力という概念が肉と筋と血を得た形ではありません。ティルグリスのような、眺めるものに感嘆の声を漏らさせるような美しさと、相対したものにそれの前に立つことが致命的であったと悟らせる鋭さを兼ね備えた形なのです。

 そしてその手足が生えているのは、戦神の如き肉体美と、婀娜あだやかな柔らかさを併せ持つ、二重の意味で凹凸豊かな胴体です。


 前述の少女の顔が、その上に載っているのです!


 ミスマッチ、アンバランス、不均衡、不調和……。

 彼女を初めて見た者は、指を差して笑うか、二度見・三度身・四度見・五度見──と、何かいけないものでも見てしまったかのような反応を示しがちです。

 それを目にした当の本人は、怒らず、悲しまず、困ったように笑うだけです。

 その様子が更におかしいのだと、笑い転げる者もいます。


 見た目以上の力だって、見た目以上の優しさだってあります。

 だけど、ミルヒの内面は至って平凡で、年齢相応の子供でしかないのです……

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