従姉妹に顔面偏差値30と言われた俺だけど、何故か休み時間の度に学校の美少女達が囲んでくる【リメイク版】

ごま塩アザラシ

第1話

この世は残念ながら容姿ではなく内面の方が大事である、と心から断言できる人が全てではない。

確かに結婚や交際などにおいて相手を選ぶ際に性格、内面というのは非常に大切な項目であることに間違いはない。

しかしそういった人となりを知ろうと思うきっかけ、その多くが容姿からということは否定できない事実として存在している。


想像してみてほしい。

あなたの目の前には2人の全く知らない異性が立っている。

1人目はあなたの好みに限りなく近く、アイドルのように整った容姿をしている。

2人目はごく一般的な容姿をしている。

さて、あなたはどちらの人に興味を抱くだろうか。

そう、答えは分かりきってしまっている。

この世は容姿が全てというわけではないが、それでも容姿は非常に大きなステータス、そしてアドバンテージとして確立されている。



そして自分が果たしてどれほどの容姿なのか、人と比べてどうなのか気になったことはないだろうか?

自分から見た自分と他人から見られた自分が違うというのは当たり前である。

そしてここにその評価が気になった1人の男子がいた。




「舞姉!俺って顔面偏差値いくつくらい?」


俺は目の前にいる現在高校2年生の従姉妹にそう尋ねた。

俺は風間慎二。現在中学1年生、思春期真っ盛りである。

自分の容姿がどれほどか気になるのだが、学校などで聞くのはなんかナルシストみたいでやばいと思った。

というわけで親戚という身近な異性に聞くことにしたのだ。

とは言え少なからず自信はあったのだ。

バレンタインもかなりの数のチョコレートを貰ったりもしていた。

60くらい?というのが毎日鏡を見ている自分の客観的な評価である。

しかし、従姉妹の答えはというと予想とはかけ離れたものだったんだ。





「(さて、どうしたものか…。)」


従姉妹である舞は苦悩していた。

目の前で自分に期待の眼差しを向けてくる慎二、彼は身内の贔屓目を抜いて見たとしても相当なイケメンである。

中学1年生でこの容姿、成長して身長が伸び、まだ幼さの残る顔が成熟した時、アイドルとして活動しても最前線で人気を獲得するのではないかとも思ってしまう。

とりあえず偏差値は75くらいだと心の底から思うが、果たしてそれを正直に伝えるべきか迷った。

もしここで高い数字を言ったら目の前の純真な少年は良からぬ方向に進むのではないか?という疑念が生まれたのである。

顔で女の子をナンパして遊びまくるような男になったプレイボーイ慎二「ウェーイ、君かわいいね。おれと遊ばない?てかLINEやってる?」を見たくない。


しばらく考えた末に私が出した結論とは、ここで敢えて低い数値を言うというものである。

何故か分からないが慎二は小さい頃から私に対する謎の信頼がある。

しばらくの間は信じてくれるだろう。

その信じきっている間に本当に好きな人を見つけてくれれば…。

そう願いながら私は口に出した。


「30が妥当なところじゃない?」

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