SS 後日談


 俺とサリナさんとの間に、子供が生まれた。

 可愛らしい女の子だ。

 名前はロザーナ。

 

「ロインさん……見てください。私たちにそっくりです」

「ほんとだ……可愛いな……」


 ロザーナはとても健康そのものだった。

 サリナさんと俺の子供らしく、髪の毛は黒髪だ。


 それと同じ年、クラリスとの間にも子供が生まれた。

 これまた娘で、名前はキャロライン。


「ロイン、産まれたね。私たちの赤ちゃんだよ」

「ああ、大事に育てような」


 なんだかクラリスが赤ちゃんを抱いているなんて、本当に信じられないな。

 キャロラインはクラリスに似た金色の髪の毛だった。

 クラリスは小さなころ、身体がよわかったから、キャロラインのことも心配だ。

 

 キャロラインとロザーナは同じ年に生まれたから、仲のいい姉妹として育ってくれるといいな。

 遊び相手がいたほうが、二人にとってもいいだろう。


 キャロラインのステータスを鑑定したところ、なんととんでもないことがわかった。

 キャロラインのステータスは、攻撃力がゼロで、防御力がゼロだったのだ。

 俺とクラリスの体質が遺伝してしまったらしい。

 

 防御力がゼロだと、幼いころのクラリスのように体が弱くなってしまう。

 俺たちはステータスの実を細かく切って、キャロラインに与えた。

 離乳食にステータスの実を入れて、毎日食べさせた。

 最初は身体の弱い病気がちな子供だったが、キャロラインはおかげで丈夫に育っていった。

 よかった……これで安心だ。


 それから、カナンとの間にも子供が出来た。

 男の子だった。

 名前はカインと名付けた。


 キャロラインとロザーナには弟が出来たことになる。

 カインは姉が二人もいて、いろいろと大変だろうな……。


「ロイン……カインは長男だな……」

「ああ、そうだな」

「この国は、カインに継がせるのか?」

「うーん、まあそうなるかな。まだわからないけど……」

「……その、産まれたばかりでこんなことを言うのはアレだが、私はカインが国の跡継ぎ争いのごたごたに巻き込まれてほしくはないんだ……」

「ああ、わかってる」


 カナンの懸念もわかる。

 俺は子供たちは平等に愛するし、そういった家族内での争いはしたくないと思っている。

 だけど今やアルトヴェール王国は巨大な国に発展した。

 だから、いくら俺たちがそれを望まないとしても、カインたちが普通の子供たちみたいに生活するのは難しいかもしれない。

 周りは、カインのことを王子として見るだろう。


「大丈夫だ、カナン。俺の目が黒いうちは、カインを不幸にはしないよ。カインは俺が守る。もちろん他の子たちも、カナンのこともな」

「ロイン……やはりロインは頼もしいな」


 子供が産まれて、俺たちには幸せの絶頂が訪れていた。


 カインは3歳になった。

 まだ小さなカインを、ロザーナとキャロラインはまるで自分の子供のようにかわいがった。

 ロザーナとキャロラインは6歳になっていた。


「ほらカイン、お姉ちゃんですよー」

「ロザーナお姉ちゃん、好きー」

「あ、こら……! 私もカインと遊ぶの!」


 ロザーナもキャロラインもカインのことをよく見てくれている。

 跡目争いなんかにはなりそうにないな……。


「こらこら、引っ張らないの。みんなで仲良く遊ぶんだよ?」


 クラリスがキャロラインをカインから引き離す。

 はは……クラリスがお母さんやってると、なんだか微笑ましいな。

 あの身体の弱かったクラリスが、今ではこんなふうに……。

 ほんと、こんな平和がずっと続けばいいのにな……。

 




【あとがき】


カクヨムコンように新連載をはじめました

もしよかったら読みに来て応援してもらえるとうれしいです

マイクラみたいなスローライフクラフトものです



過労死した社畜OL、ゲーム内のエルフに転生して無限の寿命とチートクラフトを手に入れたので今度こそ自由に生きたい!~趣味にものつくりに、のんびり森で【もふもふ】と【スローライフ】な日常を希望します~


https://kakuyomu.jp/works/16817330667619768385/episodes/16817330667620006444

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