【告知アリ】第188話 俺のレアドロップ★
「うおおおおおおおおおおおお!!!」
俺は一思いに、自分の胸に剣を突き刺した。
苦しい……死ぬ……。
頭が真っ白になって、焼き切れる。
自分の身体から、どんどん力が抜けていく――。
俺は、このまま死ぬのか。
身体から、どんどん血がなくなっていく。
意識が遠のいていく。
だが、これは俺の作戦だった。
俺に残された最後の手段――それは、自殺だった。
俺が俺を殺すと、どうなるのか。
それは前々から、気になっていたことだった。
俺にも、なにかレアドロップが設定されているのではないだろうか。
勇者アレスターを倒したときも、レアドロップが落ちた。
なら、俺自身を殺したときにも、レアドロップが落ちるはずだ。
そしてそれはきっと、かなり強力なものだろう。
だが、これは一か八かの賭けだ。
俺からレアドロップが落ちるとも限らないし、それが有用なものともわからない。
俺は、遠のいていく意識の中で祈った。
どうにか、この状況を打開する手段を――。
俺は死に、その場にレアドロップだけが残った。
「ロイいいいいいいいいいいいいいいいン!!!!」
消えゆく意識の中、クラリスの声だけがきこえてきた。
すまないクラリス、俺はここで、お別れだ――。
◆
「ふわあああはっはっはっはっは……!!!! 馬鹿め、勇者ロインよ。自ら命を絶つとは、この臆病ものめが! 仲間を残して、ひとりで死におったわ!!!!」
魔王デスマダークが、高らかに笑いあげる。
クラリスはその場に、盾を落として崩れ落ちた。
「そんな……嘘よ、ロイン……」
「ロインさん……」
ロインは死に、デスマダークが残った。
え、じゃあ今しゃべってるオレは誰だって……?
レアドロップアイテムさ。
《ロインの魂》
レア度 エクスタシー
説明 ロインの魂が具現化したもの。最強の生命体。
攻撃力 9999Billion
防御力 9999Billion
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「ロイン……!?」
俺は、俺の死体から、起き上がった。
おかしい、死んだはずなのに、意識がある。
ふと、自分の身体を見てみる。
すると、俺の肉体は黄金に輝いていた。
まるで魂だけが抜けたような、そんな気分。
肉体から解放され、すべてが解き放たれたような。
「ロイン……!? その体は……!?」
「わからない。おそらくこれが、俺のレアドロップなんだろう。なんだか、身体が軽くなった気分だ。今なら、なんだってできそうだ」
俺は立ち上がり、魔王デスマダークをにらみつけた。
「な、……そんな……馬鹿な……!? なんだ!? なんなんだお前はあああああ!!!!」
「俺は、ロイン・キャンベラス。お前を殺す男だああああ!!!!」
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《告知》
2月3日に
確定レアドロップの2巻が発売します
全員買ってくれたらきっと3巻もでるよ!
3巻出したいのでめっちゃ買ってください!
よろしくお願いいたします
ご予約はこちら
https://kakuyomu.jp/users/MintoTsukino/news/16817330652673669211
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