第146話 快勝!
宙を舞ったのは、俺の武器ではなく、先代勇者の武器だった。
「え……!? なんで……!?」
そして俺の剣は、そのまま勇者クローンの喉元に突き刺さった。
――ザシュ。
「ぐはあああ……!!!!」
「よ、よわ……!?」
倒した俺自身、拍子抜けするほどの弱さだ。
いや、特に今までの敵と比べて弱いというわけでもない……。
俺が、それほどまでに強くなっているのか……!?
「お、おのれ……この私を一撃で屠るとは……! それでこそ次なる勇者よ……! 安心して魔王討伐を任せられる……ぐお……!」
勇者クローンは、そのままあっけなく力尽きてしまった。
そういえば、俺以外の人物にはレベルなんて概念もないわけだ。
それに、俺の今持っている武器はまさしく最強の武器。
だから、500年前の先代勇者くらい、相手にならないってことなのか……?
「ま、すぐに倒せてよかった。楽に倒せるにこしたことはないからな」
「さすがロイン……! 先代勇者を一発で倒せるくらい強くなったなんて!」
自分でもちょっと驚きだ。
俺の今のレベルと、この剣さえあればここまですんなり倒せるんだな。
まあ今までのレジェンダリーダンジョンの敵も、魔力障壁がネックだっただけで、それさえなんとかなれば割とすぐに倒せてたしな。
この最強の武器【征魔剣=エクスカリボス】さえあれば、魔力障壁も怖くない。
ということは……今後ほとんどの敵をワンパンできるのでは……?
「これで魔王も怖くないぜ……!」
そうとなれば、さっさと魔界に行って魔王を倒してしまいたいところだが……。
その前に、まずはいろいろと片付けないといけない問題がある。
「まずはドロップアイテムだな」
《時戻しの杖》
レア度 レジェンダリー
説明 ある物体をある時点の状態に復元することができる魔法の杖。
「おお……!? これがあれば、勇者パーティたちの身体をもとに戻せそうだな!」
「よかった! 先代勇者の最後の遺物が魔法の杖だというのは本当だったようだな」
ネファレムも一安心している。
「本当だったようだな……って、ネファレム。知ってたんじゃないのか?」
「いや、最後の遺物に関しては詳しくはきいていなかったんだ。それだけ、重要なアイテムだったってことじゃないか? 先代勇者が隠しアイテムとしてわざわざ用意したんだから」
「そういうことなのかな? まあ、なんでもいい。とりあえずさっさと戻って、こいつを使おう!」
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