第74話 新ギルド設立
翌日、ギルドラモンから持ち帰った、ミレージュ周辺にはない素材を見せると、みんな喜んでくれた。
「おお! これは素晴らしい! この辺ではめったに手に入らない商品ですよ!」
商人たちが嬉々として商品を持って行った。
これで、さらにここは裕福になるはずだ。
「それで、ロインさん。これから、どうするんです?」
とサリナさん。
そう、俺はなにも金儲けのためだけにこんなことをしているのではない。
集めた人と金で、やりたいことがあった。
「そうですねぇ。そろそろいいかもしれない」
魔界からの襲撃は、どうやら俺のいる場所に来る。
それは、先日のギルドラモンの一件からも明らかだった。
つまり、敵のやってくる場所はある程度予想できるということだ。
だったら、俺のいる場所に最強の軍団を用意すればいい。
「俺は、このアルトヴェール領に、新しいギルドを作ります!」
「新ギルド……!?」
俺の発言に、サリナさん含め、商人たちも驚いた。
「ここにギルドを作って、冒険者を集めます! それで、俺はアルトヴェール領で、魔界からの攻撃をすべて引き受けようと思う。そうすれば、ミレージュやギルドラモン……ほかの町のみんなは、平和に暮らせるだろう?」
「ロインさん…………」
「もちろん、アルトヴェール領に住むというのは、それなりに危険だろう。だから、この考えに賛同できない人は、去ってもらってもいい」
俺はここを、最強の冒険者たちの要塞としようと思う。
物資を集めて、魔界との前線基地にするんだ。
俺になら、このアルトヴェール領でなら、それができる。
「ロインさん……感動しました! 世界の平和のために、そこまでするなんて……」
サリナさんにそう言ってもらえるのはありがたい。
だが、それだけでなく、商人たちも称賛の言葉を述べた。
「ロインさん! あなたの考えは素晴らしいですよ! 我々も、ぜひ協力させてください! 商会をあげて、活動を支援させていただきます!」
「シュトラウスさん……ありがとうございます」
商人たちもほとんどが賛成してくれた。
これで、資金も人脈も、心配はなさそうだ。
「よし、これからギルドを作り上げるぞ……!」
俺はその準備に取り掛かった。
そしてあっという間に一か月が過ぎ……。
アルトヴェール領に、冒険者ギルドが完成した。
城のエントランスを改造して、集会所を作った。
まだ冒険者は少ないが、これからどんどん発展していくことだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます