第114話 評議会 閑話
「それで裏は取れたのか?」
隣国に派遣している全権大使よりもたらされた魔導通信での急報に臨時評議会が開かれ、評議員である私はそれに招集された。
帰るやいなや、派閥内の総ての情報網をもって今回の一連の事件を調査するように命じたのだが…
「はい。おそらくベッケル評議員をはじめ複数のタカ派議員とその後援者共が絡んでいるのは間違いないようです」
「あのクソ
あの忌々しいノータリン共は身の程も弁えず見境なく噛みついて回る害獣だ。
あろう事か、噛み付いたうえに大事な客の
せっかく築き上げてきた信頼が……
王国政府からの反応が穏当なものであったのは、既に相当な根回しが……いや、王国内の売国貴族や辺境伯に敵対する貴族を金で操ったのだろう。
ブリスク領事館の魔導通信は反応途絶。
詳細はまだ分かっていないが、領事はブリスク辺境伯邸で幽閉中との事である。
ブリスク辺境伯も、余程の確信が無ければ領事拘束などできはしないだろう。
一歩間違えれば戦争である。
今代の辺境伯は、良くも悪くも温厚で有名な人物と聞く。
それでも、そんな人物が強行に及んだのだ。
領主貴族は
面子を潰されて、領地に手を出されて大人しくしている人種ではない。
タカ派の馬鹿共はそれを理解していないのか、それとも彼等と揉めても余程自信があっての横道・非道か。
全面戦争は回避できたが領主貴族ともめる事は必至となった。
ともかく、なんとか衝突を避けるべく情報を集めなければ。
————
「これ程早く露見するとは。しかし、
「一領主貴族ごとき、我々の力で捻り潰してやるのもまた、一興ですかな」
(馬鹿どもが。己一人では何もできないクセに、数を頼りに粋がる虫けらがほざきよる)
失敗だ。
商業都市ブリスクを弱体化させ、資本投入からの事実上、我々の支配下に置くという謀略は失敗に終わった。
武官として現地にいた出来の悪い息子の安否などどうでもよいが、放置するのも外聞が悪いので、折を見て助けてやらねばなるまい。
王政府をなんとか抑える事ができたのは不幸中の幸いだ。
しかし今後、王国や周辺国から警戒される事は間違いない。
ハト派の連中も黙って見てないだろう。
クソ虫共が言うように、確かにブリスクを攻め落とす事は可能であろう。
腕利きの傭兵を大量に雇えばいい。
だが、それでは儲けが薄いのだ。
どいつもこいつも使えぬ馬鹿ばかりで、そろそろ手を切る事も考えておかねばなるまい。
—————————
多忙につき睡眠を優先させております。
投稿遅くなってしまい申し訳ありません。
何卒ご理解ください。
だって超眠いんだもの
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