第91話 親子の絆
正直、プリンパパのステータスが(主に職業が)気になり過ぎて、お願いして見せてもらった。
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☆:.。.
レベル:1
職業:魔法少女
力:3
魔:4
体:3
速:3
技:3
魔法・スキル
変身、医療
称号
異世界人
これが、42歳男性やや薄毛子持ちのステータスらしい。
レベル1なので成長するとどうなるかは分からないが強く生きてほしい。
「ユウのも見ていいよ?」
何となく背徳感あるが気のせいだ。多分
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ユウNo.1
レベル:1
職業:
力:4
魔:3
体:5
速:3
技:3
魔法・スキル
防御、かばう、棍術Ⅰ、聖属性強化Ⅰ
称号
異世界人
どう見ても娘の方が強そう……
いや、パパの方には変身がある!
「ちょっとプリンパパ、変身してみてよ」
え?マジで?みたいな顔してるけど、どう見てもそのスキルが唯一の希望だろ。
今後の人生を左右するといっても過言ではない。
「パパ見たい!ユウもパパが魔法少女になるとこ見た〜い!」
「えぇ……」
アゲアゲアッパー系の娘と、サゲサゲダウナー系のパパとの熱量差が凄い。
気持ちは分からんでもない。
もし俺が魔法少女だったら、普通に畑でも耕して人生を送ると思う。
しかし彼は父親だ、娘を育て食わせ守らねばならない。
「プリンパパ、
「いや、私には医療が……」
「治癒魔法があるからなぁ、まぁ、その知識は有用だとは思うが、アンタ整形外科医なんだろ?だとしたら、治癒魔法に敵うと思う?」
プリンパパはしばし黙り込んでしまったが、
「分かりました……やります!」と腹を括った。
ゴクリッ
全員が固唾を飲んで見守る。
「それではいきます!『へ〜んし〜ん!マジカル〜ぅプリーン!!』」
その場でクルクルと回転しながら変身の台詞をはくプリンパパ。
ダメだ!あまりのノリノリ加減に堪えきれずに吹き出し、笑い転げてしまう俺とユウちゃん。
最初はあんなに躊躇ってたくせに!
決めのポーズをとるとプリンパパが発光しだす。
その場にいた全員が眩しさに目を覆う。
「パパまぶしぃ〜!www」
ユウちゃん、それはパパには言わないであげて。
光が落ち着くとそこには頭に星の付いたカチューシャをはめ、ピンクのフリフリのミニスカドレスに身を包んだおっさんが決めポーズのまま佇んでいた。
もうね、完全に地獄絵図である。
俺なら間違いなくその場で腹を切るレベル。
「パパ!カワイイ!」イヤイヤ、嘘やろ!
「なかなか似合うと思うよ、良かったね!ママもパパも好きだったもんね!魔法少女!」ん?
「夜中二人でセーラー○ーンごっこしてたのユウ知ってたんだ。ママがいつも『お仕置きよ!』って言ってたの聞いてたから!」これは…
「パパがママの夢を叶えたんだね。よがったねぇ」
ヒックヒックと泣き出すユウちゃん。
思わずつられそうに……なるかーい!
この親なにしとんねん!
子供にプレイを聞かれとるやないかい!
駆けつけた聖女によると、ポーズ決めたままのプリンパパはどうやら固まって息してないらしい。
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