第10話 旭日同胞団Ⅱ 閑話

 タマ=モマレを筆頭に、転移者達は転移前に神からの託宣を受けてこちらに連れてこられた。


 同じようにこちらの世界の人間達もまた託宣を受けていた。

 シャーマン、巫女、聖女、聖者など敬虔な者、神聖なものに敏感な感覚を有する者達である。

 託宣を受けた者達は神の神威に触れ打ち震え、また感涙した。


 教会のお膝元である神聖教国はすぐに各国の元首や有力者、教会関係者と連絡を取りあった。


 特にミッドガルドに対しては多数の使者と多額の支援を送り、甚だ強引とも呼べる態度ではあったが……ミッドガルド側もこれを受け入れた。


 大陸に散った21名の転移者の保護も、各国に通達し優先事項として対応するよう呼びかけた。


 転移直後の彼らは、まだ大した力を持っていないがその価値は高い。


 神より召喚されし異世界人と知って、直接危害を加えようとする者は少ないだろうが、誘拐や監禁されるなどはあり得る。


 勿論各国全て仲が良い関係にある訳ではないが、この集団転移に関しては協力的であった。


 今後、その恩恵を受けたいがためではあるが。

 水面下で行われるそれぞれの国や組織の駆け引きはまた別のお話し



 なにはともあれ、これから生きていくにも使命を果たすにも"力"がいる。


 迎えられた一団は認識の共有、すり合わせを行い方針を立てる。


 まずはレベルアップしながらこの世界に馴染んでいこうと。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る