第3話 だって男の子だもん

 魔法、スキル

 これに食いつかないゲーマーはいない。

 それが自分自身で行使できるとなれば尚更だ。


 目的地を目指しつつ自身の能力の確認・検証をおこなった。

 生活魔法

 着火、給水、送風、灯光、土操作または魔力操作の技能があがれば、それらを混合して使用できる。

 コスパは悪くなるが魔力を込める事でその現象もまた大きくなる。

 着火で敵を燃やす事もできなくはないが、攻撃魔法で燃やすよりコストも射程も比べ物にならないらしい。


 バレット(魔力弾)

 魔力の塊を射出する攻撃魔法の初歩中の初歩で基本中の基本。

 込める魔力の量により弾の大きさ・威力がある程度上がる。

 魔力操作の技能により命中率、発射速度、連射速度が変わってくる。


 身体強化

 魔力でもってあらゆる身体機能を強化する。

 スキルランクが上がると強化率も上がる。

 ランクⅠで1.2倍。


 各スキルも技術の向上系でスキルを持っていなくても行動は出来る。

 例えば、短剣なんて誰でもある程度使うことができるが、スキル持ちはこれにバフがかかりますよ!的な。


 ある程度把握すると使いたくなるのは人の性ってもので、ライターの火を想像し着火で指先に火を灯す。

 更に魔力を操作し普通のライターからターボライター、ガスバーナーと変えてみる。

 初めての魔法でいい歳の男がハイテンションMAXである。

 それはもう、スキップでもしちゃいそうなくらいに。

 次は両手で器を作り水を出す。

 掌から溢れる水に「あわわわわっ!」っと、あたふたしつつそれを飲んだ。

 普通だ。しかしそれが逆に凄く便利だと思った。

 飲水の確保は人が生きる上で必須条件である。

 この魔法があれば、地獄のようなサバイバル訓練も相当楽だったのに。

 魔力さえあれば、いつでもどこでも水の心配をしなくていい。

 もうこれだけでチートだなと。


 魔法技術が発達したこの世界ではあるが、一般的にはまだ井戸の利用が多い。

 と、コマンド内にある『基本情報』による大雑把な世界観の説明には書いてあった。


 土操作も地面に穴を一瞬で掘ったり、土壁を立てたりまぁまぁ便利な代物だった。

 防御や行動の阻害にも使用できるだろう。


 現在唯一の攻撃魔法であるバレットも試したいところではあるが、適当な的がないのでウズウズしながら歩いていた。


「早くモンスター出ないかなぁ」


目的地へと向かう俺は、獲物を求めるハンターのように魔物を探していた。

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