第10話 目に入れても痛くない

 桃太郎は15才になって、鬼退治に行くと言った。おじいさんとおばあさんは、必死でそれを止めたが桃太郎の意思は固かった。仕方なくおばあさんは材料を集め、きびだんごをつくった。

 出立の日

 「鬼ヶ島までの道にも気をつけるのだよ」

 「きびだんごをあげれば、きっと大丈夫だからね」


 月日は経ち、桃太郎は少しやけた肌と大量の財宝を持って帰ってきた。

 「もう、村のみんなは大丈夫です」

 二人は喜んで、ご馳走を振る舞った。

 夜、桃太郎が疲れて早く寝てしまった後も二人は無事を喜んでいた。

 「きびだんごが役に立って良かったですね」

 「あれが有れば、どんな人間も改心して仲間になる。おかげで傷一つなく帰って来てくれた」

 「そうですね。きっとあの子も無事でしょう」

 「ああ、鬼ヶ島で心静かに暮らしているさ」

 「「きびだんごでも食べながら」」

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ジョークの小部屋 胡楪天地 @narakeibo

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