君と僕と蜃気楼
ましろ。
第1話
ジージー
ミーンミーン
セミが暑さをさらに引き立たせる暑さの中、土曜日で仕事が早く終わった僕は家へと帰るところだった。
公園では休みの子供達が元気にはしゃいでいる声が聞こえる。
夏が来た、改めてそう思わされる瞬間だ。
僕の名前は
特に趣味もなくごく普通な28歳のサラリーマンだ。
僕の家までの道は長い坂を登り、昔ながらの駄菓子屋さんを通り過ぎ少しいったところにある。
この坂が嫌なんだよな、とため息をつきながら渋々と登り始める。
蜃気楼で水溜りが逃げるように僕と同じスピードでゆっくりと進む。
僕は彼女などという存在もいないが今でも忘れられない幼馴染がいる。幼少期から長年の片思いだが高校を卒業してからは疎遠になってしまっている。
暑い夏、蜃気楼とこの坂を見ると幼い日のことを鮮明に思い出す。
幼馴染の名前は、
僕はちーちゃんとずっと呼んでいた。
これは僕とちーちゃんの長い長い冒険の話だ。
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