え、この人ヤバいんですけど

「てめぇ!やってくれたな!」


「いや、そっちから殴ってきたじゃん。俺のは正当防衛だろ」


「クソっ……!テメェら!囲むぞ!」


「えぇ………めんどくせぇ……」


 な、なんなのこの人……


「ったくしゃあねぇ……最初に言っておく、俺はかーなーり強い!」


「うるせぇ!ぶっ殺してやる!」


「…………スルーされた………グスッ」


 なんか……泣いてない?


「オラァ!」


「おっと」


「テメェ!」


「よいしょ」


「クソッ!なんで当たんねぇ?!」


「え?避けてるからですけど?」


「んな事分かってんだよ!なんで避けられんのかって話なんだよ!こちとら全員ボクシング経験者だぞ!」


「おばあちゃんが言っていた………卑怯な奴らに負ける正義の味方はいないと」


「…………………ねぇ」


「よし……そろそろ反撃するか!」


「テメェ……調子にのんなよ!」


「三条唐太、タイマン張らしてもらうぜ!」


「死ねぇ!」


「ふん!」


「ぐほっ!」


「おら!」


「がはっ!」


「せいや!」


「ぐふっ!」


「どおりゃ!」


「かはっ!」


 す……すごい、1人で4人全員倒しちゃった


「ノーコンテニューでクリアしたぜ!」


「…………………ねぇ!」


「お?無事だったか!よかったよかった。怪我は無いか?」


 ちっ、近い近い!


「う、うん、助けてくれてありがとう。それよりひとつ聞いていい?」


「ん?おう」


「…………なんで仮○ライダーの決めゼリフばっかり言ってたの?」


「あ!分かってくれる人がいた!よかったぁ〜!俺1人しか仮○ライダー見てないのかと思ったよ!みんなに、中学生にもなって何見てんの?って言われてさぁ、別に良くね?って思ったんだよ!よかった、仲間がいた!」


「いや、私も弟が見てるのを少し見るぐらいだけど………それよりなんで?」


「え?なにが?」


「だから!なんで決めゼリフばっかり言ってたの?!」


「え、だってカッコイイじゃん、仮○ライダー」


 ただのファンだった!






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