妹は天使の生まれ変わりでした

「いやーあいつのコミュ障が治んのはまだまだ先かねぇ」


「…………………」


「それにしても元ヤンなのにコミュ障って………ぷぷっ」


「…………………」


「あいつ今までどうやって他人と関わらないで生きてきたんだろう……」


「…………………」


「ほんと、面白い………ってさっきからぼんやりしてるけどどうした?陽久留」


「…………お兄ちゃんと手、繋げた………嬉しい♪」


 あ、そっか!走って逃げる時に陽久留の手をとって走ったんだった。妹を置いて逃げるなんて絶対にありえないし


「そ、そうか?こんな事でそこまで喜ぶんだったらこれから毎日繋いで登校するか?」


「!うん!手、繋いで登校したい!」


 見てよこの喜んだ顔、可愛すぎんだろ!


「お兄ちゃんと手繋いで登校……グハッ」


「だ、大丈夫か陽久留?!」


「う、うん…大丈夫、ちょっと嬉しすぎて吐血しただけ」


 嬉しすぎて吐血?!大丈夫なのかそれ?!


「大丈夫だよ!もう収まったから!」


「そ、そうか……」


 ならいいんだが……そういや今日って小テストかぁ……めんどくせぇなぁ……


 スリスリ


 毎朝勉強すんのもめんどくせぇんだよなぁ


 ニギニギ


 しかも0点取ったら補習とか……マジでダルい


 ギュッ


 勉強したくねぇ…………って


「あのーさっきからなにをしてらっしゃるので?」


「ん?お兄ちゃんに私の匂いを擦り付けてるの」


「なんでそんな事……」


「だって………お兄ちゃんに私の事片時も忘れて欲しくないんだもん……」


 ………………………………………可愛すぎかよぉぉぉぉぉぉ!なに?!忘れて欲しくないって、俺の事好きすぎかよ!俺ももちろん大好きだぞぉ!


「それに……他の女が寄り付かないようにマーキングしとかないと……」


「ん?なんか言ったか?」


「んーん!よし!匂い付け終わり!行こ?お兄ちゃん!」


「おう!」


 ああ、今日も妹は天使のように可愛いです。






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