第65話 ライブ

昨日はサークルのライブのリハがあったらしい。


らしい、と断言できないのは、ライブもリハも椎間板ヘルニアのせいで出られないからである。


寝返り打てない、トイレもまともにできない、座っていられない、ここまで役満なのも珍しい。


行っても荷物になるだけでいいことなどない。


ほぼ幽霊のような存在で、酒飲み人員に駆り出されるくらい。


そんな中、今朝、ご飯を食べていると大学の学生課から仰々しいメールが来た。


私は内容を見て驚いた。


「件名:警告

 本文:お前らサークル、セキュリティ管理甘すぎ!鍵を刺したまま帰るとかなめて                んの?これは、全サークル自治会で共有するから。あと、大学の学生課も覚えたからな。そうだ、これはこのサークルに入ってるやつら全員に送ってるけど、新入りとかで届いてないやついたら教えろ、転送しとけ。次はない。」


要約だが、このような意味のものが届いていた。


Bccなのも手が凝っている。


私は関係ないため、ライブどころの話じゃないんだろうな~なんて笑っていた。



私は基本的に私自身に危害を加えなければ他人を嫌うことはしない。


理由は面倒だから。


どうでもいい相手に自分の心を割くくらいなら、大切な人に心を割きたい。



どうしたら、生涯を共にできるパートナーが見つかるのだろうか。


今まで2ちゃんのまとめでしか見たことないロミオメールが私のもとに降りかかった時、2ちゃんでの出来事って本当に存在するんだ、と思った。


それと同時に、まだ結婚もしていないのにロミオされるって相当だな、と思ってしまった。


まだ早い、そう思いたい。でも実際大学を卒業したら私は24歳、立派な大人である。

生物学上、妊娠出産は早い方がいいのは事実で、それはいろんなカップルが悩む問題にもなりえる。


母はしきりに、今の私の年齢で結婚しただの言ってくる。

父はあんなに否定していた学生結婚を認めるようになった。


両親が求める相手の理想が高い、その辺の大学生では到底クリアできない。


私は出来損ないだが、両親はエリートで、相手のことを学歴や家柄で見ている節がある。


どこかで妥協しないと見つからないだろうと思うが、両親は離婚なんてとんでもない精神で結婚をせがむ。


父親は心を病み休んでいる私に対しこうやって言った。


「お前、死にたいって言ってるよな。なら、人様に迷惑かけないように死んで来い。樹海までの片道切符は出してやる。早くしろ。」


母親にこのことを伝えると、驚きの返事が返ってくる。


「それは、なぎさの中でお父さんの印象が強いってことだね。いいことじゃん。影響を受けてる人物なんだよ。」



私はこの一件以来、両親に本音を話したことはない。


というより、彼氏にも話さない。


1人で抱えて、爆発してリスカレグカが落ちである。


医者は頼れない。両親に連絡し強制送還で罵詈雑言を浴びせられる日々を送る生活になるだけだから。(経験済)


入院はどうか?両親が強引に止めてくる。どんな手を使ってでも。必ず。(経験済)


結局頼れるのはお金である。


早くヘルニア治さないと。


薬での治療は?限度を両親が決め、それに従うしかない。(従わないと生活費や医療費などの金銭的援助を停止すると脅す)(経験済)


考えられる手は全部考えた。


もう残ってるのは自分の身を売ることくらい。


それをしないのは一抹の期待と、自分の中にある米粒くらいのプライドがあるから。


バレないように、身体を売ることくらいしかもう道はない。


分かってる。分かってるけど、怖いから。



何もしないで死ねるように法律も変えてほしい。


両親がどんな人か分かると男性は私のところから離れる。


だからパートナーが見つからない。


もし一人で生きていくことにしたら、保護猫を保護する。


その子を命を懸けて守る。


今日もお酒かな、早く死にたい。



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