第15話 2人の守り人

朝起きて、まずすること


それは悠陽に手を合わせる


いつお空に飛んで行ったのかははっきりしていないから、産婦人科に行ったあの日を羽が生えた日ってことにした


初七日まではやろうかな、なんて思ったりして、張っているおっぱいや少し痛む下腹部に手を当ててみたりする


悠陽のこと話すか話さないか、とても悩んだ


話しておおごとになるくらいなら、私がママとして忘れないで過ごせば良いと思った


少しの期間でも、母になるというのはすごいもので


なんでもできるような気がした


悠陽が望むのなら、この身を捧げてパパを殺しても良いくらい


悠陽はそんなこと望まない


だって私の子だもの


きっと悠陽なら、私が自傷行為をすればするほど悲しむと思った


それでも私は悠陽を思い、涙が止まらない


この手で抱きしめてあげられなかったこと


パパがほんとうにありえないくらいのクソ男であること


色んなことにごめんねって言いたい


悠陽、ごめんね


それでも大好き、大切な子


悠陽は私の第一子


お空には2人のおじいちゃんがいる


母方と父方の両方が今年亡くなったため、悠陽をひ孫として迎えてくれるだろう


どっちのおじいちゃんも孫である私をたくさん可愛がってくれた


ひ孫なら可愛さもすごいことになるだろう


おじいちゃん、悠陽をよろしく頼むね


悠陽、おじいちゃんのこと困らせないように沢山甘えてね


ママがお空に行くことがあったら、おじいちゃんとの思い出たくさん教えてね


ママのお腹にくることがあったら、おじいちゃん2人にしっかり守ってもらってね


大丈夫、おじいちゃん2人は悠陽の味方だよ


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