自分のことを思う

バブみ道日丿宮組

お題:永遠の寒空 制限時間:15分

自分のことを思う

 家族。 


 人が死ぬのをみた。人が殺すのもみた。

 一人ぼっち。二人ぼっち。三人ぼっち。

 親も親戚も、皆死んだ。

 誰もいない。寄り添いなんて幻想。

 たくさんが、一人になった。

 

 夢。

 

 皆が生きてる。笑い声が聞こえる。優しい世界。

 それは夢。

 現実に幸せなんてない。

 

 学校のトイレ。

 

 それが私の居場所。

 ひそひそと聞こえるうわさ話を聞いた。

 死神、悪魔、殺人犯。

 耳をふさぐ。聞きたくない。でも、聞こえる。

 

 教室。

 

 視線が集まる。

 私の容姿をじろじろと見る。誰も声をかけない。

 見てるだけ。

 私を見つめるだけ。

 

 授業。

 

 当たることのない自由な時間。

 立ち上がり、トイレに行く。

 注意はされない。

 

 体育。

 

 端っこで皆をみる退屈な時間。

 成績は5。

 まっとうでない評価。

 

 鏡。

 

 自分が写る虚構の世界。

 きれいだとか、かわいいだとか、そんなものはない。

 歪んだものが写る。

 

 家。

 

 遺影だけがある世界。

 お線香を今日もあげる。

 

 警察。

 

 事情聴取は長い。私のことを疑う。

 死体の側にはいつも私。

 当然犯人扱い。証拠はない。

 

 ご飯。

 

 味のないただの白。

 豪勢なものでも味なんてしない。

 味覚がもう消えてる。

 

 生命。

 

 終わればいい。消えればいい。

 包丁握りしめ、赤い血流れる。

 死なない。

 手に傷がつく。それだけ。

 

 終わり。


 空の色。冬の空。

 浮かばれない死の空。


 永遠。


 終わらない世界。

 助けのない日常。

 夢のない現実。

 壊れた、壊したい自分。


 さようなら。

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自分のことを思う バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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