第3話 ウェブサイトのアクセス数
画伯にオススメされた漫画の原作の賞は、はっきりいって眼中になかった。なんだよ、漫画原作って。俺の小説としての「文字」媒体は必要ないってことだろ。ストーリーや、アイデアだけ奪い取るってことじゃん。しかし、ウェブで調べるとたくさん出てくる。出版社は文字で表現できない物書きのアイデアだけを求めている……。そんな気がした。ウェブ発の漫画をざっと見てみる。
「うわ、異世界転生ばっかりじゃん」
無視し続けてきた「異世界転生」が漫画まで侵食している。俺の頭はオーバーヒートしそうだ。待て待て、そもそもどうしてあの長文タイトルが流行る。俺は怒り心頭に検索しまくった。タイトルを見ただけで内容が分かる。ださい。かっこ悪い。見栄えが悪い。シンプルじゃない。タイトルだけで疲れる……。めまいがした。寝込んだ。三日寝込んだ。
四日目にウェブで大手の投稿サイトに登録してみる。PVなるものがあるらしい。PVが4ついた。あ、嬉しい。四人が読んでくれた。嬉しい。一週間後、累計アクセスが30になっていた。お、俺の小説を三十人も読んでくれた。舞い上がった。俺は天に舞い上がった。
トップページにランキングがある。本になっているもの、なっていないものがある。あれ、この作品ももしかしてアクセス数を見ることができるんじゃ?
「PV1000とかかな?」
覗いたのが間違いだった。俺は地獄をみた。深淵を見た。凍りついた。世界が終わったと思った。一時間に万単位で人のアクセスがあった。
「なんだよこれ」
一週間寝込んだ。
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