星の旅人
織風 羊
第1話 緑の瞳
その森に住む民達は、主に狩猟をして生きていた。小動物を狩る事が主であり、その他の動物達は、飼い慣らされ狩猟の為に使われていた。男達は、狩猟が終わると、狩ってきた動物を大きな木の下に並べる。その森で一番大きな木、命の木と呼ばれている。男達は、その木の前に平伏し、今日の糧に感謝をし、生あることに感謝し、その為に失われた命に感謝し、一日の仕事を終える。
そして肉を均等に切り裂き、各自の家に持ち帰る。狩で得られた生き物達は、どれだけ少なくても、多くても、均等に分けられる。そう、生き物達は、脈動は無くなり、既に呼吸もしていない。それでも、彼らの食道を通るまでは、彼らは、生き物達と呼んでいる。やがて胃の腑を通り、彼らの血となり肉となる時、彼らの生命のために失われた魂とともに生かされていると、彼らは言う。
夜になると、森の民達は、命の木の前に集まり、焚き火をし、命について互いに語り合い、神に祈りを捧げて、眠りにつく。焚き火に照らされた時の彼ら彼女らの瞳は、一様に緑色をしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます