第42話 計画通りですね ♪
「なるほど――」
とアーリ。私の説明に納得してくれる。
(私が――この国の姫――というのも、あるのだろうけど……)
――どうにも、それだけじゃない気がするのよね?
「ただ、オレはそんな子供、見た事はないが……」
記憶を
「あら? わたくしは、
「待て⁉ それは
それなのに、フランだけが知っていて――アーリが知らない。
(確かに
「少し調べてみるか……」
口元から
それに対し――お願いね――とフランは
彼はフランに視線を移す。
だが、ニコニコとした表情の彼女を見て――簡単に頼むなよ――と肩を
(どうやら、やってくれるようね……)
少年の対応について、話が
(
「どうやら、ベガートが帰ってきたみたいだな」
丁度いい――とアーリ。少年について、報告するのだろう。
一方、外では――山の神から
建国祭の話のようだ。ベガートが帰ってきた――というのは本当のようだ。
城の空気が引き締まった気がする。
山での印象やフランの話から、優しい人だと思ったが、このお城では違うらしい。
急いで建国祭の準備を行う――と言っている。
(明日は前夜祭になるのね……)
――
「どうしました? お姉様……」
不思議そうに私を見詰めるフラン。その言葉に、
「神様からの
と返す。どうやら、耳と鼻は私の方がいいみたいだ。
「計画通りですね♪」
両手を合わせ、
「でも、こんなに急で大丈夫なの?」
思い付いた疑問をただ言葉にする。それに対し、
「問題ないだろう」
と答えたのはアーリだ。彼の話によると、本来、祭は満月の夜に行うモノらしい。
ただ、その理由は『契約の儀式』を行う
また、天候にも左右されるため――開催日をずらす事もある――という。
(結構、
私のそんな考えを見抜いたのか、
「かつては、きちんと日時を決めていた
風の魔術師に頼み、天候を操作した事もあるらしい――と彼は補足する。そして、
「十四年前の事件が原因だろう……」
と告げる。建国祭、私達の出産、【
色々な事が重なって、事件は起こってしまった。
「今となっては、
警護の仕事が楽で助かる――とアーリ。
(そ、そういうモノなの?)
――いえ、彼なりに気を遣ったのね。
やはり、少し不器用なようだ。続けて、
「今回はベガートが一人で急に決めたから、教会の連中はあたふたしているかもな」
そう言った彼は、少し楽しそうだ。
「教会の事……嫌いなの?」
首を
詳しく聞きたいところだけど、それは私ではなく、フランに任せよう。
(そうそう、父の事も聞かなくてはいけなかった……)
「あのね、フラン……」
改まって、私が口を開くと、
「
もしかして、私が部屋に居る事が嬉しいのだろうか?
(ううっ、
――でも、ここで
「えっとね、王様――お父さんの事――なんだけど……」
私の言葉に、フランは見る見る元気を失くす。
(言うんじゃなかった……)
失敗したかな?――と少し後悔する。でも、
「やはり、先程の部屋の様子を
とフラン。私は――ゴメンね――と謝る。
「いえ……いいんです!」
フランは首を横に振った。
「でも、どうしてあんな姿に……」
父の
「分かりません」
とフラン。普通に考えると――毒を盛られた――と考えるのが妥当だろう。
でも、山での話から
「きっと、体内に【
私は憶測を述べる。
以前、見た事があるのは、魔術師が自らの身体に欠片を突き刺す場面だった。
結局は力を制御出来ず、その魔術師は【
「そんな事があったのですね……」
お姉様が無事で良かった――とフラン。
その時は兄と一緒だったので、
だけど、改めて言われと、そうなのかも知れない。
ただ、父からはあの時のような
もう、長くはないのでしょう――とフラン。
普段は眠っているように
しかし、時折、
そういう時は、フランかベガートが声を掛けると大人しくなるようだ。
その
「本当は、あのような父の姿を、お姉様にお見せしたくはなかったのですが……」
フランは落ち込む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます