宝くじ当選
それから数か月が過ぎた頃、私はカバンの整理をしていて宝くじの存在を思い出す。
当たるわけもない宝くじなのだが、タケシが最後に言った「ビギナーズラック」という言葉が不意によぎった。
『連番10枚なので1枚ずつ確認する必要はないなぁ』
と思いながら当選番号を見た瞬間、明らかに1等の番号と近い数字が目の前に並んでいることに動揺した。
まさかな・・・。と思う気持ちと同時に、一瞬にして体温が上がり、冷汗、高揚感、そして目まいがした。
漫画や作り話の世界では、宝くじを確認するとき、数字を1つ1つ読み上げて確認する描写が多いが、それはハズレの時だ。
実際に当たっているときは、見た瞬間に、
『同じ!同じじゃね?は?マジ?信じられねえ!』
と一瞬で当たりを期待するのだ。
人間、こんな時にどんな行動に出るか?
大きく分けると2パターンだそうだ。
当たったとわかった瞬間に有頂天になって、大声を出し、大騒ぎするタイプ。
動物的だし、外国人はこのタイプが多いようだ。
対して、当たったことが信じられず、『何度も何度も紙に穴が開くぐらい開催回・組数などの見落としがちなポイントを確認し、それでもなお、喜ぶのは現金を受け取ってから』 と冷静なのが日本人に多いタイプらしい。
私も幼い頃から、
「うまい話には裏がある」
「タダより高いものはない」
と典型的な日本人的な教育を受けて育ったためなのか、後者の反応であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます