窓の博物館
早福依千架
プロローグ
館長からのご挨拶
ようこそおいでくださいました。
私は、当館の館長でございます。
窓というものは、人々の生活をほんの少し切り取るものです。見えない部分のことは、どう頑張ったってわからない。覗き込んだって限界があります。
人だって同じです。「裏表がない」なんて言葉がありますが、それは「見えている限り」での話です。本当のところはわかりませんよね。
あなたが見て、聞いて、そして感じたこと。それが全て合わさって、「あなたの中の事実」が出来上がる。噂やイメージに惑わされてはいけません。事実…現実…真実…それらを実らせるのはあなただけなのです。
…と、少しややこしい話になってきてしまったので戻します。
当館は、その名の通り窓の博物館です。
そちらにたくさん窓がありますね。その窓は、「誰か」の人生を覗くことができます。それが1分なのか、1日なのか、はたまた1ヶ月か1年か、どれくらいの期間を見られるのかはわかりません。
もし、あなたが「うわっ可哀想だ…」と思ったことでも、その主人公にとっては嬉しい出来事かもしれない。
もし、あなたが「羨ましい!」と思ったことでも、その主人公はそのことで悩んでいるかもしれない。
その人の人生は、その人にしかわかりません。だから、あなたは色々なことを汲み取って、想像してみるんです。あなたの感じたまま。
前置きが長くなってしまいましたが、それでは、心ゆくまで窓の博物館をお楽しみください。
さぁ、どの窓を覗いてみますか?
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