Episode ⅩⅦ (3-6)

 陰光大学教育学部付属陰光中学・高校。

 合同開催による体育祭は二日目を迎える。

 現時点のランキングは、一位・ろ組。二位・い組。三位・へ組。は組、ほ組、と組、に組。

 ろ組は、い組が逃した種目を制した。

 学年問わず層が厚い。

 い組は、優勝した種目が複数ある。

 出場種目によって二位や三位など、ばらつきがある。

 い組の座席は後方に固まって片付けられている。

 生徒達は黒板の前に地べたで座っている。

 エレンは一年い組の生徒達が全員集まっている事を確認した。

 ホームルームが始まる前に言っておきたい事がある。

 堂々と教壇に立つルーム長に半数の生徒は彼女の姿を見つめる。

「昨日はお疲れさまでした。種目によって、優勝や二位、三位だったところもあり、それぞれベストを尽くした結果だと思います。今日は個人種目が中心になります。同じ種目同士励ましあいながら、い組の総合優勝を目指しましょう」

「\\\\\\はい! //////」

 一日目は集団種目があった。

 二日目は個人種目がほとんどを占めている。

 大会を機に協調性を養えた。

 アテナ、ミツキは横並びで試合場所へ歩いている。

「アテナ! 今日は、カーリング?」

「そうだよ。ミツキちゃんは沢山走る日だね」

「晴れてるからいいけど、熱中症にならないように気を付けないと」

「あっ! あと、食べすぎないようにね!」

「大丈夫。今日も朝はカレー五杯食べてきたから!」

「良くないよ~」

「絶対に定期的に休むんだよ」

「分かってるよ~エレンとか、トリンドルとかが、監視に来るから。お昼や飲み物も管理されるから~」

 アテナは一般的に考えてミツキの食事、飲み物の管理を厳重にする行動を見る。

 某世界的大会のアスリートのようだと感じた。

「ここからは皆バラバラだから、お互い頑張ろう」

「そうだね」

 校内に二日目のスケジュールや観戦案内について放送されている。

「カーリング出場者は陰光大学トレーニングセンターへ集まってください」

 カーリングに出場するアテナは、案内があったため徒歩五分のトレーニングセンターへ向かう。

「アテナちゃ~ん」

 後ろから自分の名前を呼ぶ女性の声がいる。振り返る。

 長くピンクの色っぽい髪を揺らしてクラスメイトのサーカが小走りに来た。

「アテナちゃん、参加する生徒はこれで皆?」

「うん。そうだよ」

「良かったわ」

 サーカは安堵する。

「サーカちゃんはカーリングやった事ある?」

「何度か。でも、リンクが氷だし滑るからちょっと難しのよね」

(駄目だ。女子なのにサーカちゃんのオーラにやられてしまう!)

 淡々と話続ける彼女にアテナは同級生にも関わらず隠しきれない大人のオーラを感じていた。

「とっとりあえず、状態は見てみた方がいいかもね」

「そうね。一緒に頑張りましょう」

 アテナ達カーリングチームはトレーニングセンターに着いた。

 集合場所の部屋に、数人の体育委員が集まっている。

「では開会式を始めますので、一階中央に集まってください」

 出場する生徒達は体育委員に従い学級、チームごとに列になった。

「これから陰光大学教育学部付属陰光中学・高校。体育祭のカーリングを始めます。お願いします」

「\\\\\\お願いします‼ //////」

 カーリングは全・八十二チームのトーナメント式に争われる。

 決勝は三チームが残るため、一チーム二回戦う。

 アテナ達い組は、少々危ないところがあった。

 だが、決勝までなんとか勝ちあがった。

 お昼休憩として、大学の食堂へ行き学食を食べていた。

「順調にここを落とさなければ、この種目も優勝は安泰かな」

「相手が手強いし、リンクの状態を把握するのも難しいけど、ここで負けたくはないから頑張りましょう」

 カーリングの試合が終わった。

 決勝は一点差で高校一年ろ組に勝利した。

 優勝する余韻で一年い組カーリングチームは集まる。

 アテナはサーカに残りの試合について話す。

「良かった。これで、あとは長距離と短距離。そして、リレーだよ」

「急いで、グラウンドに行きましょう」

 い組総合優勝のかかるグラウンド競技決勝が待っている。

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