Episode Ⅷ (2-2)
「きゅっ急にどうしたの? エ、エレン……」
『さん』付けする事を忘れた。
彼女の行動はアテナにとって久々の心へ圧迫感に包まれている。
「アテナさん、あなたは思い込みが激しいわ。この学校は
突然始まった学校説明会で何度も聞いた学校理念。
中学一年生の立場で饒舌に話せる生徒はいない。
「はぁ〜」
二人は十分ほどルーム長の主張を聞き続けた。
「というのが、私の考え。だから、アテナさん。私はルーム長で元剣道部員でもあるけど、あなたの部活に参加するわ」
「えっ!?」
「だから、アテナさんの部活に入るという事よ」
「わぁ! 良かったじゃん、アテナ。これで部員三人だよ」
「そっ、そうだね」
三人で部活について話し合ったタイミングで教科担任が来た。
熱のこもったスピーチにアテナは気を失いそうになる。
最終的に部員が増えた。
現在の部員数・三人。
三人で部活について話していたタイミングで教科担任が来た。
一人、部員が増えたと喜ぶ。
しかし、まだ人数が足りない。
今日が始まったばかりだが、この後に入部希望者が増える確信は無い。
「はい、授業は終わりです。お昼休みなので、分からない箇所があれば国語・社会科室に聞きに来てください」
授業が終わった。
お昼休みに入り、顔馴染みのない生徒が教室へ入室する。
い組の生徒達は入室してきた生徒達の様子を一瞬見る。
入室してきた数人の生徒達は扉近くに座るい組生徒と言葉を交わす。
「部員を募集しているアテナ・ヴァルツコップさんはいますか?」
クラスメイトの一人は彼女に向かって指を指した。
教えられた通り、アテナの席へ向かう。
一度に来た生徒達の対応を心配するエレンとミツキ。
整理するために二人は席を立つ。
「アテナさんを探しているの? 部活について説明するわ」
一度の休み時間では部員募集の余波は治まらなかった。
再び数人の生徒が部長のアテナに部活についての説明を聞きに来た。
その都度、クラスメイトであり部員でもある二人が手を貸した。
今日の収穫はエレンの入部と十数人の生徒が説明を受けた事。
アテナの感触としては好印象だった。
「アテナ、明日も頑張ろう!」
「そうだね」
ミツキとアテナは放課後にクラスで祝杯の牛乳パックを鳴らした。
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