第4話 粉雪
「粉雪」
こんな真夜中に
粉雪が踊っていた
寒い寒い夜だった
こんな真夜中に
木枯らしが叫んでいた
辛い辛い夜だった
「もういくからな」
それから優しく微笑んで
逝ってしまった母のこと
時間が停まってしまったこと
僕が生まれて
40年と十日後のこと
母が消え去った日のこと
それから粉雪の夜のこと
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