第3話 絶望

「おはよう。今日もよろしく」

そう言って出してくださる左手


毎朝の握手と目が合った時の笑顔

ベッドの上からいつも変わらず向けてくださる優しいまなざし


毎朝のこの挨拶を喜んでくださった難病のハンサムさん

いつも笑っているからわからなかった


「いつもベッドの上で何を考えているかわかる?」

そう聞かれ

お好きな野球のことですか?と答えた私


「絶望」と言われ

数日後に旅立たれたハンサムさん


空で思いっきり草野球をしている姿を思い浮かべる絶望を抱く私

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