第43話 部活中の彼女を見るって良いよね?



先生「修学旅行の班決めを明日しまーす。 男女別で3人班ね。 はい、帰りの会の連絡は以上。 それじゃかいさーん。」





 放課後になり帰る生徒もいれば部活に行く生徒もいる中、俺、汐入和樹は驚きを隠せませんでした


和「、、、、、修学旅行、、、もうすぐだったわ、、、」



 そう、ここ市立紅明中学校は、2年生の春に修学旅行がある


 一般的には秋に行く学校が多いのだろうが、『春は修学旅行に行く学校が少ない』や『秋頃に受験生の集中力を削がないため』といった理由で、紅明中は春に修学旅行があるのだ


 少し前まではバッチリ覚えていたのだが、最近澪さんと付き合い始めたりで忙しく、頭から抜けていたらしい



和「班決めか、、、いつもの二人と組むか。」


 そう決めて帰ろうとしたが、今日は澪さんが部活に行くと言っていたので、少し見て帰ることにした




 そのまま行くとおかしいから、校舎の中から見ようかな、、、


 2階からテニスコートを見下ろす 


 澪さんはっと、、、いた。

 すぐに見つけれたな


 なぜなら、一番輝いている

 ラリーの時も、走る時も、スマッシュを打つ時も、テニスコートの誰よりも綺麗だ


 見蕩れていたら澪さんがこちらに気づいて、『こっちに来て』というように手を振ってきた


 これは行くしか無いな






 テニスコートに行くと、丁度休憩を取ってるところだった


 俺を見つけた澪さんは笑顔でこっちに寄ってきた


 カワイイ



澪「来てくれたんですね!」


和「うん。 澪さんかっこいいね、一番綺麗だったよ。」


澪「そんな、、、嬉しいです。 あの、一緒に帰りたいので、部活が終わるまで待っていただくなんてことは、、、」


和「いいよ。 じゃあ、そこにあるベンチに座って待ってるね。」


澪「我儘を聞いてくださってありがとうございます。 もっと頑張るので、見ていてくれますか?」


和「オッケー、応援してるよ。」



 澪さんは満面の笑みで部活に戻ったので、他の部員から質問攻めに合っていた


 そっちもガンバレ、、、




 それからの澪さんは凄かった


 練習とは思えないほどの本気の顔をして取り組んでいた


 それに俺が『頑張って!』って言うたびにスマッシュの威力が上がっていくもんだから、最後に試合をした時なんかは相手を圧勝していた、、、相手さん、ご愁傷様です



和「お疲れ様、澪さん。」


 全力を出したからか、部活を終えた後はクタクタな様子だった


澪「疲れました、、、和樹くんの応援があったから元気が出ましたが、、、」


和「あ、鞄持つよ。 重いでしょ?」


澪「ありがとうございます、お言葉に甘えます。」


 重っ!?


 運動部に入っている人たちって大変なんだなぁ、、、





和「そろそろ修学旅行だね。」


澪「そうですね、私は菊さんと燈火さんと班を組む予定です。」


和「燈火さんっていうのは?」


澪「テニス部の友達ですよ。 菊さんとも仲が良い人なので楽しい班になりそうです。」


和「良かったね。 まぁ、できることなら澪さんと同じ班を組みたかったけど、、、」


澪「それはできませんよ、、、男女別ですし、クラスが違いますし、、、」


和「そうだねぇ。」


澪「そうですねぇ。」


 あぁ、澪さんと修学旅行を過ごせたらどんなに楽しいか、、、



澪「あ! ですが、宿泊地でも話せますし、観光先でばったり会うこともあるかもしれませんし。」


 それに賭けるしか、、、いや、待てよ、、、


和「そうか! 一緒に回れるように打ち合わせをすれば良いんだ!」


澪「良いですね! 明日、菊さんと燈火さんに相談してみます。」


和「こっちも相談してみるよ。 上手く行ったら良いね。」


澪「そうですね。 、、、、、、、私も和樹くんと回りたいと思ってましたよ?」


 ん? また最後が聞き取れなかった


 澪さんとの会話中に集中力を無くしてしまうなんて、、、まだまだだな






和「楽しい修学旅行にしようね。」


澪「はい!」


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