権力者と僕

バブみ道日丿宮組

お題:愛すべき独裁者 制限時間:15分

権力者と僕

 彼女は学校の支配者だ。

 生徒会、風紀委員の管理外。校長先生も、担任も口出しできない。無論親という存在であっても、彼女には何もできない。

 権力と金。

 2つのパワーを兼ね備えてる。

 権力は、国家権力。おじいちゃんが国を支配してる大統領。その影響下で、孫である彼女が力を何故か持ってる。おそらく愛で、権力を渡してるんだと思う。

 金。成功者であるおばあちゃんの財産が彼女に振り込まれてる。

 それらを持つために、たくさんのボディガードに囲まれてるが、彼女になにかしようとする人間はいない。報復が怖いためだ。

 事実としてかつてヤンキーが絡んだことがある。そのヤンキーがどうなったかといえば、国から存在を消された。

 そういったことがあったために、彼女は日々孤独だ。

 僕がいなければ、彼女はずっと一人で過ごしてたと思う。

「うーん?」

 今は彼女との昼食タイム。

 相変わらずとして、周りにはボディガード以外の生徒はいない。

「これ、美味しくないんだけど?」

 食べてたパンを投げられた。なんとかキャッチしたので、地面に落ちたりして食べれなくなってないい。思わずパンを口にすると、味はそんな悪いようなものを感じなかった。

 というか、売店のコッペパンに違いはあまりないように思う。

「私の食いかけ、美味しい?」

 口端をあげて、彼女が問う。

 僕は静かに頷いた。ほのかに彼女の味がきっと染み込んでる。

 そんなことを言えば、叩かれるので、美味しいとだけ答える。

「やっぱコンビニの新作のがいいかな。毎度混んでるところに並ばせるのもあれだし」

 僕は彼女の手足となって、買い物を日々してる。

「明日通学するときに買ってきてよ」

 わかったと頷く。

 普段からこう優しくあってくれれば、もっと周りに人が増えるんじゃないかと思うのだが、ボディガードが怖いし、彼女の瞳も怖い。

 彼女の瞳は肉食獣といえるほどに、鋭いものだ。

 睨まれたら、腰を抜かすどころか、小や大を漏らすことに陥るだろう。

 僕にはそんな視線を向けないから、のほほんといられる。

「……招集だってさ。あんたもついてきなさいよ」

 スマホを見ると、彼女は言った。

「集まりめんどくさいんだよね。ご機嫌とりなんてしたくないし。あんたがいてくれれば、多少場が収まるし、いいんだよね」

 権力を持った彼女は、お偉いさんとの会食(パーティ)があったりする。

 今後を生きてくために、彼女はおじいちゃんから参加を呼びかけられたりする。

 僕はいつも会話役として呼ばれてる。

 だから、今回も頷く。

 彼女との時間はとても大事で、なによりも優先される。

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権力者と僕 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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