疲れた呪いの魔王は旅行中
馬頭牛頭
第1話 平和になったそうです
吾輩は魔王、呪いの主と呼ばれこの世界ムンドにて四体いる魔王の一体である名前はあるルーク・ルス・ルール・ルレイン・ルート、略してルーゴだ。
他の魔王とは知り合いどうしだが吾輩が居る場所が呪いまみれという場所が場所のため部下は一人も居なかった……意外に寂しかったけどね。
さて、ある日のある昼下り、他魔王に貰った魔王用の連絡水晶から連絡があり、そこから吾輩に放たれた言葉に呆れた声で返答してしまった。
「お前含む三人の魔王達が
『そうなのよぉ』
そう答えたのは吾輩と同じ魔王と呼ばれている破壊の魔王だ、わりと気の合う奴である。
『あの
「吾輩、あの
吾輩のそんなウロウロしていているというか素っ頓狂というかアホっぽい声を聞いて、
『ハ、ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!ヒーッ、ヒッ、ハハハハハ、ハハハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!』
破壊の野郎は笑っていやがった、いやよくよく考えたら確かに笑えるんだろうが……。
『いやーそんな声聞いたことないからヒッ、ヒーッ、いやまぁ仕方ない気はするけどね実際』
「と、言うと?あと笑いすぎだ」
『いやね呪いのよ、お前の居るところは魔王が居る場所にしては僻地だし奥地だしでまず判りにくいんだ、そしてあの呪いの異常な量、あれはこの破壊を含む三人をもってしても通常の半分の力、また、それ以下しか出せないってどういう呪いなんだって話、仮に気づいても基本近づきたくはないよな』
「いや魔王だし
『それはそうね、あと極めつけは……』
「極めつけは?」
『呪いのよ、お前さん、侵略行為や破壊行為しなかったでしょ、部下もいなかったし……』
「あ」
またアホっぽい声が出てしまった。
それを聞いて破壊のヤツはまた笑いそうになりながらも声を整えながら
『いやね、我や疾風、魔導は部下が結構いたし人間側からの侵攻侵略もあったからこちらも反撃進軍してたから人間側にも知られていたんだろうけどね』
それを聞いていて確かになぁ、と、顔部分を手で覆いのけぞった。
「確かに吾輩には部下はいないし呪いは撒き散らして誰も来なかったし人間側に対して破壊行為や侵略行為もしなかったけどさぁ、そんなに吾輩知名度無かった……?えぇ……悲しい……えぇ……」
『ハハハハハ、まぁ良いじゃないか良いじゃないか、我等と比べたら被害も全く出ていないし変に条件つけられたりしてないからこちらとしてはわりと羨ましいわ、良いじゃないか何もなくて』
吾輩は向こうにみえないのを良いことに口角を上げて上を見たあと元に戻って話を続けた。
「まぁ……まぁそうなったら仕方ないけどそっちの部下達はどうなの?不平不満は出ていないのか?」
『まぁ色々不平不満ある部下は確かにいるけど我のところにも疾風、魔導のところにも人間側と和平友好や交流を結ぼう、みたいなことを言っていた部下がいたからな、わりと抵抗無く色々進んでるぞ』
「なら良いんだが……」
吾輩は少ししかめっ面にも苦笑いにも見える顔をしたあと
「あー、もう、あー……ならもう平和ってことか?とりあえずもう魔族も人間も闘わないってことか?もう呪いをばら撒かなくていいってことか?」
『そうだ、もう呪いをばら撒かなくていいし、とりあえず人間と闘わなくていいし、とりあえず平和ってことだよ』
それを聞いた途端吾輩の全身の緊張が抜けて
「あー……そうか……そうか……あー、疲れた……」
『まぁそうだよな、我達よりも強い呪いをばら撒き、一人でそこを護っていたんだからなぁ』
「本当にそうだわ……吾輩も部下がいれば……あー……疲れた……」
『まぁ一応もう終わったことだ、今更言っても仕方ないだろ、疲れたなら魔族領や人間領に旅にでも行ってみればいいんじゃないか?一応もう魔族の人間領の行き来は可能になっているし』
「旅……旅行かぁ……」
『まぁ行くか行かないかはお前さん次第なんだけどな、まぁその場所は基本人間も寄り付かない奥地だし空けても大丈夫だろ』
「そうか……そうよな、だな」
『さて、我はまだ色々目を通さなきゃいけない書類があるからこれで通信を終わらせてもらうがこれからのお前さんの行動を楽しみにしているわ』
そういって吾輩と破壊との通信が終わった。
「そうかぁ、旅行かぁ……考えたことなかったなぁ……人間側との闘い中だったからなぁ……確かに吾輩働きすぎだったからなぁ……」
そう言ったあと、吾輩は口角を再び上げて再び上を見上げ、そして立ち上がり
「よし、よし、よし、それじゃあせっかくだ、破壊のやつに言われたように色々なところに旅行に行ってみようかな、良い機会だし色々疲れたし色々見てみたいしな」
そして世界が一応平和になったことを知り、知り合いの魔王から勧められた旅行、それに興味をひかれ、その日その場所で吾輩は決めた。
「よし、色々なところに行って色々見てこよう、旅行だ!」
さて、色々楽しみだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます