第4話 二日後
僕は乾いた制服に着替え、玄関を出た。一応出る時に花咲さんの姿がないかは確認した。
遠い。高校は中学校と比べて遠い。多分+1㎞くらい。
タッタッタッタッタッタッ
え、なに。
バッターン
花咲「いてて、あ。」
多分僕の格好を見てしまったのだろう。
今、僕は自転車の下敷きだ。
てか、自転車の僕に追いついたのか?
僕「あの、だれ…」
花咲「ごめんなさいぃぃ!」
またか。
僕「花咲さん。絶対こっちに向かって走ってきてたよね?」
花咲「はい。でも、勢い付け過ぎちゃって…」
嫌がらせか?いや、多分、ただの馬鹿だな。
花咲「本っ当すいません!私、赤木くんを見つけたので、走ってきちゃいました。」
僕「すごいね、自転車の僕に追いついたなんて。花咲さんは歩きなんだね?」
花咲「はい!歩くの好きなんです!
僕「へぇ~。」
歩くのが好きって、尊敬だわ。
花咲「はっ!早くしないと、遅刻ですよ~!」
僕「えっちょっと!」
すごいスピードで、花咲さんは自転車の僕より先に学校に着いていた。
そういえば、入学式の日もすごいスピードで、引っ張られたな…何者?
僕、案外花咲さんと一緒にいるの楽しんでるんだな。
花咲さんは僕の隣の隣の席。
一つ席を挟んで右隣。ちなみに僕は一番後ろの廊下側から3番目。花咲さんは1番廊下側。
僕と花咲さんの間の席のやつはいわゆる陽キャの人気者。まだ、入学してから2日なのに、友達が、たくさんいる。
そのたくさんの友達に僕も多分入っている。なんせ隣の席だからね。1番最初に話しかけてくれた。その名も、柳 章理
柳「おー、赤木!お前さ、花咲さんと仲いいんだろ?」
花咲さんのほうをちらっと見る。なにやら、一人でブツブツ言っている。ないな。
僕「別に、そんなでもない。」
柳「え~、なんだよー。」
僕「花咲さんと仲良くなりたいのか?」
柳「そりゃそうだろ。」
そのとき僕は、やめといた方が良いと思った。
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