青くなくちゃいけない
Ley
少女の願い
なんて可愛いなんて愛おしい
仔猫のように縮こまって小さくなって毛の隙間から様子を伺ってる
パッとじゃらしを振ってもついてこない彼女は世界を怖がっていた
私の嫌いな世界
彼女も世界が嫌いらしい
彼女も私もただの高校生で、か弱い少女で
何をどうしたってここに救いは無くて
「何が好き?」
たった一つの質問にも答えられない非力な子
私は彼女のいるこの世界を呪った
齢16にして今にも儚い彼女の生を守れないこの世界を
守れないこの手を
彼女さえ守れるのなら私はそれで幸せだと大きな声で言えるのに
だって私は彼女の笑顔が好き
ただそれだけなのだ
それでも年齢は残酷な程に絡みついて、性別は皮肉にも己を嗤った
さてして一度として彼女の口以外から聞くことの無いだろう言葉を持って足掻く
か弱い少女の声は彼女を救うだろうか
そもそも彼女を彼女という代名詞を用いている時点で救いなど無いのかもしれない
それでもこう呼ぶ以外に道はなく方法は知らない
持ちうる全てをまだ見ぬ彼女の咲きほこる花の為に使いたい
巣食う仄闇い呪いも日々振りかざされる言葉も花を壊してしまうから
自分にみせてくれるほんの少しの弱さだけでも、それが氷山の一角だとしても、彼女の叫びは私が見つけたかった
その叫びが大きな笑い声になって、私が見えるのがその一部分でしかないようなそんな世界がいい
なんでまた世じゃ羨ましがられるJKが笑ってないなんて馬鹿みたいなことがあるだろうか
これは反語だ、疑問じゃない
彼女は私が救う
そうあの日に決めたけれど私だけでは難しいかもしれない
だから、代わりに叫ぶ
「彼女が笑えるただそれだけの世界へ!」
信じもしない神よ、どうか
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