ゲート・ナビゲーター

刻堂元記

　人々は長い間、今住んでいる世界とは異なる世界、つまり異世界に強い興味を抱いていた。パラレルワールド、黄泉（よみ）の国、夢世界……。そんな世界に身近に行って帰って来られるようになったら良いのに。そう言った願いは大抵の人間なら誰でも少なからず持っていた。中には、異世界をこの目で見ようと危険を冒す者までいたくらいなのだから。でも、それはもう過去の話。今では、街のいたるところに散在している門（ゲート）を使うことで、好きな時に自由に行き来できるようになっている。ゲート・ナビゲーターは、そのような異世界旅行をお客さんに体験してもらう上で欠かせない存在。今回は、そんなゲート・ナビゲーターと呼ばれる職業人たちの働く姿を見ていきたい。