第6話:汚名
帰国した私たちを、いくつかの困難が待っていた。耳ざとい連中は、私が旅先でおかしたいくつかのミスを非難し、一部には、リュウグウの守護者としての適性が私に欠けているとする者までいたらしい。
幸い、私が母の位を継ぐことに異を唱える声は、すぐ下火になった。その代わり、ねたみや中傷は、リュウグウの守護者となった私でなく、招かれざる客タロウへと向けられることになる。
そもそも、リュウグウのほこる美しい調和も、無償のものではなかった。さまざまな「異物」を排除することではじめて成り立っている。
地球での寿命が数十年しかない人間など、それだけでも望ましからざる存在であるのに、放射能による損傷を受けたタロウの体は、この世界の環境に無視できない負荷をもたらしていたのだ。
守護者としての私は、どんな手段を使ってでも、タロウが健やかでいられるようつとめた。それだけではない。タロウは、女性としての私にとって、かけがえのない存在になっていた。そのことがまた、タロウへの中傷をあおることにもなる。
いわく、タロウは、リュウグウへの客という特別待遇だけでは満足せず、オトの地位を私益のために悪用し、あまつさえ、守護者という地位を簒奪しようとしている――。
こうした誹謗中傷は、事実無根であり、聞くにたえないものだったが、リュウグウの物質的・霊的環境を
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