死が二人を分かつまで~霊媒法廷編~

天田 結之

プロローグ


 私は悪霊に殺されました。

 

 突拍子もないことですが、これは事実です。

 自慢ではありませんが、生前の私は、いわゆる『リア充』の類に、カテゴリーされていたでしょう。それなりの大学にまあまあの成績で合格し、しかも、彼氏持ちという、我ながら幸せの王道を歩んでいるような毎日でした……。


 将来に『不安』の二文字は存在しないかに見えた私ですが、まさか成人式の日に、いえ、正確にいえばその翌日になるですが……、まさか、殺されるとは夢にも思いませんでした。


 私を死に至らしめたのは、ヒトではありません。悪霊です。


 あの日の、丑三つ時くらいでしょうか……私は一旦、この世を去りました。


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