暗殺道中
@Suima3
第1話月曜日の殺人事件
19世紀イギリス、首都ロンドン。
「ねぇ知ってる?」
「なになに?」
「毎週月曜日の夜に人が殺されるらしいよ」
「何それ怖ーい」
「でも殺されるのは人殺しをした人、いわゆる凶悪犯罪者だけなんだって!」
「へぇー凶悪な良い人ってこと?」
「まあそう言うこと」
「でも怖いね」
「ねー」
ある高校の女生徒がそんな話題で盛り上がる。
ロンドンでは、「月曜日の殺人事件」の真相解明を急いでいた。
内容は会話の通り、毎週月曜日に凶悪犯罪者が殺されると言うものだった。
犯行の完璧性などの事から行ったのはプロの殺し屋という事でほぼ決定だった。
指紋、足跡なども一切残っていない。だからロンドン警察の捜査は全くと言う2文字が付くほど進まず息詰まっていた。
<>警察某所
「どんな連中なんですかね」
「さぁ」
今までで分かった事は、殺し屋は一人では無く3人以上のグループと言うこと。
その事を思いつつ1つ上の先輩であるヴィラア・ドールに「リール・ローレン」は上から頼まれた書類の整理をしながら聞く。
帰ってきたのはいつもと変わらぬ返事だった。
「でも、殺人鬼を褒めるてるわけではないけど警察の全勢力を使っても見つからないんだからすげーよ」
いつもの返事+aの返事にリールは顔を少し赤くする。
なぜならーーリールは「月曜日の殺人事件」の犯人だからだ。
無論、警察として入ったし金や権力、誰かの影武者としているわけではない。
クドイだろうがリールはリールとして警察になった。
そしてなぜ警察と言う肩書きを持って殺しなどやっているかと言うとリールの家系は「殺し屋」だからだ。
「どうした?下なんか向いて。体調が悪いなら後はやっておくから帰っていいぞ」
顔の赤さを誤魔化そうと下を向いていたが逆に怪しまれてしまった。
とっさに「大丈夫です」と返し書類の整理を続ける。
あれからかなり時間が掛かり、整理が終わった頃には外は暗くなっていた。
「お疲れー」
「お疲れ様です」
リールは挨拶を返し外に出る。
「うぅさむ」
10月だと言うのに息が白くなるほど寒い。
「あっそういえば母からマフラーをもらったのだった…やっぱやめとこ」
ある事が頭をよぎりマフラーを巻くと言う選択肢を捨てる。
「走ってかえろ」
<>ローレン家
「はぁはぁ」
走ったおかげで体は暑過ぎるくらい暑いが、走ったせいで息切れが激しい。
ローレン家から職場までは走って10分の所にある。
普段は自転車通勤だが夜に雨が降るとの事で今日は徒歩だった。
だが、雨など降らなかった。
その事に対してリールは思う事があるが心の底にしまって家のドアを開ける。
「あらあらおかえりぃぃ。マフラーどう…してないのね。……チッ」
全身黒いパジャマの様な物を着ている母、スメナ・ローレンが出迎えてくれる。
そして、スメナの反応的にマフラーを巻かなかったのは正解だったとリールは思う。
「ただいま」
「そう言えば今日、お父さんが早く帰ってきてるわよ」
それだけ言い残しスメナはキッチンの方へ向かった。
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