第1話 魔国の最恐

魔国には大きく分けて3つの領地がある。

魔人種族が住まう領地…魔人領(まじんりょう)

吸血鬼種族が住まう領地…吸血領(きゅうけつりょう)

幽霊種族が住まう領地…幽霊領(ゆうれいりょう)


「暇だな〜…」


そんな中、魔人領の自宅にて寝そべっている俺の名前は、

   {魔国内の生ける伝説とさえ呼ばれる最恐魔人}

って周りから呼ばれてる魔人のレイだ。

だが、正直俺はこの肩書とかはどうでもいいと思っている。確かに俺はこの魔国内でもかなり強い部類に入っていて、この魔国を仕切る最高権力者三人の内の一人である。だが、いくら最恐と言われてるからって何でもかんでもできるわけじゃないというのに、早く人間の国を落とせだの毎日のように言い続けている…

そりゃあ俺たちだって落とせるならばすでに人国程度すぐに殲滅できるだろう。


「だけどな〜…」


そう、俺たちが本気で人国を落とそうと思えばそれはおそらく可能だ。

だが、事はそう単純じゃない。なぜかって?それは、人国には代々人国を守り続けている名家というものがいくつか存在する。その数ある名家の中でもとりわけ厄介なのが草薙家の姫巫女だ。

確か今の姫巫女が10代目くらいだったかな。前に一度、とある戦争で見かけたことがあったが…正直まだまだ発展途上という感じが凄かった。人間たちの中ではたしかに強い部類に入っているだろうが、まだまだ俺たちの相手にさえなれないだろう。


「今の草薙の姫巫女とやり合ってもつまらないだろうしな〜」


実を言うと、俺はかなりの戦闘狂だ。強いやつとなら喜んで戦い合う…

のだが、俺の中にもある一つのポリシーというものがある。それは、100%勝てる戦いはしないという事だ。そして、今の草薙の姫巫女の実力だと、俺は確実に勝てるだろう。

だが、それではつまらない。相手と共に拮抗勝負をし、命の取り合いをすることこそが、最高の戦いと言えるだろう。

だからこそ、俺は今、人国に攻め落とすということはしない。

だからこそ俺は期待している。あの草薙家の姫巫女に…


「こんだけ待ってやってんだ。せめて、先代の半分くらいは力をつけてくれよ…」


俺はそう願いながら、先代草薙の姫巫女であった草薙凪咲との戦いを思い出していた…



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こんにちはkukki-です。やる気なしの最恐魔族の気ままな進行、前回から含めて2話目である、第1話 魔国の最恐はいかがだったでしょうか。次の話もレイ視点からの話になります。最恐と呼ばれているレイが思い出していた先代草薙の姫巫女との戦いは、一体どのような戦いだったのか…次のお話で明らかになります!

それでは、次回3話目になる第2話 人魔戦争に続きます!

お楽しみに〜!


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