南雲家の秘密

Hiro

第1話

「だっせー。このご時世にガラケーかよ」

 南雲龍児。金持ちのぼんぼん育ちで、何でも自分の思い通りになると思っている。何が気に食わないのか、最近やたらと拓海に絡んでくる。

 それにしても、休み時間に人の教室まで来てやることがお粗末だ。聞こえよがしの雑音は無視するに限るが、正直、取り巻き連中の追従笑いには胸が悪くなる。

「よっぽど家が貧乏なんだろうな。それとも、親がけちなのか」

 いつもなら相手にせずやり過ごすところだが、親をけなされては黙っていられない。拓海は二つ折りの携帯電話を閉じてポケットにしまうと、おもむろに立ち上がった。そして、つかつかと龍児に歩み寄り、真正面からその顔を見据えた。

 ざわついていた教室の空気が張りつめる。

「なんだ、こいつ」

 龍児は拓海を見下ろした。拓海より頭半分背が高い。

「俺に何か用か?言いたいことがあるなら言えよ」

 拓海は龍児の目をのぞきこんだ。

 やや気を飲まれたように龍児は少し体をのけ反らせた。端正な顔立ちの中に、恵まれた境遇に甘えきった我儘な素顔が透けて見える。

「言いたいことなんてねえよ。なに興奮してんだ、こいつ」

 龍児は威圧するようにぬっと拓海の前に顔を突き出した。その動きに合わせて、取り巻き連中がニヤニヤと笑いながら拓海を取り囲む。

 次の瞬間、龍児の顔に拓海の拳がめり込んでいた。後ろ様に吹っ飛んだ龍児は派手な音を立てて周囲の机を薙ぎ倒し、しりもちをついた。

 取り巻き連中の顔色が変わり、拓海と龍児の周りに人の輪が出来た。

 衆目の手前、龍児は殴られた頬を押さえながらかろうじて立ち上がった。その目には怒りと驚きが入り交じっていた。最初の一発で勝負はついていたが、拓海は容赦しなかった。もう一発パンチを見舞うと、龍児の目に浮かんだ怒りが怯えに変わった。拓海は床に龍児を引きずり倒し、馬乗りになって拳を振り上げた。

「やめてくれ」

 取り巻きの一人が横から抱きとめるように拓海の腕にすがりついた。

 拓海はそいつを押しのけて立ち上がり、周りを見回した。誰も拓海と目を合わせる者はいなかった。昂ぶる心のはけ口を求めるように、拓海は戸口に向かった。人垣が崩れて拓海の前に道が開けた。


 結局、二週間の停学を喰った。

 数人の教師に取り囲まれて事情聴取を受けた挙句、保護者まで呼び出され、拓海にすればとんだ迷惑を被った形だ。もっとも、南雲龍児も同じ扱いを受け、一週間の停学を喰ったという。一方的に手を出した拓海に重い裁定が下ったのは、まあ妥当なところだろう。無口で大人しい息子が暴力事件を起こしたと聞いておろおろするする母親の顔を見て、拓海は少し申し訳ない気持ちになった。夜遅く仕事から帰宅した父親は、わざわざ侘びを言いに南雲家に出向いてくれた。

「あんなでっけえお屋敷に入ったのは、父ちゃんも初めてだ」

 小さな町工場を経営する拓海の父は、生粋の下町育ちだ。世間一般の基準からすれば羽振りの悪いほうではないが、所謂金持ちの暮らしからは縁遠い。

「おめえの喧嘩相手は、何でもあの南雲製薬の御曹司だそうじゃねえか。えれえのを相手にしちまったな。ま、向こうの親も話の分かる人でよかったよ。幸い怪我も大したことなかったようだし、子供の喧嘩に親が口を挟むのはよしましょうってことで話をつけてきたからな。あとは当人同士で何とかしろや」

 実際のところ龍児は鼻を骨折しており、痛々しい鼻当て姿を拓海が目にしたのはずっと後のことだ。先方が拓海の父親の謝罪を素直に受け容れたのが不思議だった。

 学校側は二人を仲直りさせようと面会の場を設けたが、形ばかりの和解には何の意味もなかった。もともと仲直りする仲でさえなかったのだ。さすがに拓海のクラスにまで出張ってくることはなくなったが、廊下ですれ違っても龍児は拓海と目を合わせようとしなかった。


 二週間の停学の後初めて登校する学校は、どことなく普段と違って見えた。もともと親しく付き合っている友人などなかったが、皆が腫れ物に触るように接してくるのが煩わしかった。一度も言葉を交わしたことのない相手がわざとらしく声をかけてきたりすると、つい邪険に押しのけてしまう自分がいた。

「南雲君と喧嘩したんだってね」

 ぼんやりと椅子に腰かけていた拓海は、デリカシーのかけらもない言葉の主を見上げた。

「ねえ、ちょっと向こうへ行って話さない?」

 好奇に満ちた目で覗き込む女の顔には屈託がない。

「何よ」

 拓海の視線に女はたじろいだ。

「何ってことはないだろ。声をかけてきたのはそっちだぜ」

 拓海はむっつりと言った。

「お話ししようって言ったのよ。私のこと、知ってるでしょ?」

 女というやつはどうしてこうも厄介な質問をしたがるのだろう。

「何よ、知らないの?」

 女は呆れたように言った。

 口をきいた事もないのだ。こっちが名前を覚えていないからといって、自尊心が傷つくわけでもあるまい。

「私、北村夏美。覚えておいてね」

 一度言葉を交わした男が自分を忘れることなどあり得ないという口ぶりだ。

 まあ、人目につく美人ではある。日本人離れした目鼻立ちは、外国の血が混じっているせいだろう。あっさりとした喋り方にも好感が持てる。だが、ちょっと見た目がいいからどうだと言うのだ。

「話したいことがあるんだろ?」

「そうそう」

 いつものペースを崩された夏美はぎこちなく頷いた。

「南雲龍児をぶっ飛ばしたってね」

 もうどうでもよい話だ。唯一悔やまれるのは、親に迷惑をかけたことだ。

「いい気味。調子に乗ってるからそうなるのよ。あいつ、どんな顔してた?」

「それを聞いてどうするんだよ」

「別に・・・。ただ知りたいだけよ」

 過去に南雲との間に何かあったのだろうか。まあ、どんな事情があるにせよ、拓海に敗者を鞭打つ趣味はなかった。

「放っとけよ」

「何よ、つまんないの。どうせなら、もっとけちょんけちょんにやっつけてやればよかったのに。学校に出てこられなくなるぐらい・・・」

 夏美がわざといやな言い方をしているのが分かった。

 拓海は席を立った。

「ちょっと。どこ行くのよ」

「放っとけって言ってるんだよ。あいつをぶっ飛ばしたいなら、自分でやれよ」

 頬を膨らませる夏美を尻目に、拓海は立ち去った。


「ねえ。人ってどうやって殴るの?」

 放課後、校門を出たところで、後ろから声をかけられた。

 拓海は夏美の顔をちらりと見やり、歩き続けた。

 夏美は拓海の後をついてくる。

「ねえ。聞いてるじゃない」

 しばらく歩いて横に並ぶと、夏美は拓海の顔を覗き込んだ。

「知らないよ」

「うそ」

「人を殴ったのはあれが初めてだ」

「本当?」

 夏美は意外そうな顔をした。

「上杉君、本当は凄く強いんだって噂になってるよ。あの南雲龍児を黙らせちゃうんだもん」

 自分が喧嘩ばかりしている人間に見えるとでも言うのか。

「お前、しつこいな」

 拓海は足を速めた。

「お前って何よ。さっきまで私のこと知らなかったくせに」

 夏美は振り切られまいと、拓海と歩調を合わせた。

 面倒くさいな。だから女はいやなんだ。

 拓海は黙って歩き続けた。

「上杉君」

 夏美は足を止めた。

 拓海はつと足を止めて、夏美を振り返った。

「明日も一緒に帰っていい?」

 目が合った一瞬を捉えて、夏美は言った。

 つい足を止めてしまったことを後悔しながら、拓海は再び前を向いて歩き出した。後ろ髪を引かれる自分が煩わしかった。


「上杉君の好きな人ってどんな人?」

「どんなって・・・別に」

「幼なじみなんでしょ?」

 一体どこからそんな噂が流れるのだろう。この国にはプライバシーというものがないのか。

「学校が一緒だったってだけで、ろくに話したこともないよ」

何を余計なことをしゃべっているんだ.、俺は・・・。

「片思いなんだ」

 女はいつもこうだ。人の気に障ることを平気で口にする。

 拓海は足を止め、夏美に向き直った。

「お前には関係ないだろ」

「きれいな人?」

 夏美は拓海の視線を受け止め、挑発的な口調で続けた。

「きれいで言えば、北村だってきれいじゃないか」

「ほんと?」

 夏美は嬉しそうに笑った。

 言葉の字面にさえすがりたいのか。

 つい夏美をいじらしく思ってしまう自分がいた。だが、出てきた言葉はその思いとは裏腹だった。

「きれいな女なんていくらでもいるさ」

 ピシャリ。

 拓海の頬に鋭い平手打ちが飛んだ。

 夏美は涙の浮かぶ目で拓海を睨むと、彼の横をすり抜けて走り去った。

 打たれた頬を手で押さえながら、拓海は夏美が左利きだということを知った。


 昼下がりの教室。

 拓海は退屈まぎれに、昨日本屋で見つけた本を読んでいた。人前で読書をする人間は根暗だと相場が決まっている。だが、人がどう思おうと関係ない。拓海は本を読むのが好きだった。煩わしい現実から切り離されて、本の中の世界に入り込んでいく。別に物語でなくてもいい。本の向こうの作者と対話を交わす。どこにいても出来る、簡単な現実逃避だった。

 前触れもなく教室が静まり返り、空気がぴんと張りつめた。その静寂に、拓海の意識は現実世界に引き戻された。

 教室の入口に南雲龍児が立っていた。神妙な顔で拓海を見つめている。

「上杉、ちょっと顔貸せよ」

 龍児の声に気負ったところはない。いつもの取り巻き連中もいない。先日のお礼参りにきたわけではなさそうだ。

 普段なら無視するところだが、教室中が固唾を飲んで彼の反応を窺っている。ここで逃げたと思われるのは癪だ。

 やれやれ・・・。

 拓海は溜息をついて立ち上がった。

 龍児は拓海が来るのを待たず、廊下を歩き出した。おずおずとざわめきを取り戻す教室を後にして、拓海は龍児の後を追った。龍児は振り返りもせず、屋上へ続く階段を上って行く。

 屋上は開放されているが、いつもは不良たちの溜まり場になっていて、一般の生徒は滅多に足を踏み入れない。

 拓海は階段の途中で足を止めた。

「そう構えるなよ。話がしたいだけだ」

 龍児は静かに言い、鉄扉の向こうの光の中に消えた。

 拓海はドアの取っ手に手をかけ、敷居を跨いだ。自分を待ち伏せて袋叩きにしようというなら、龍児だけはぶちのめしてやるつもりだった。

 案の定、屋上には数人の悪ガキが屯していたが、龍児の顔を見るとそそくさと校舎の中に戻って行った。

「情けねえだろ。こないだまで一緒につるんでいた仲間だぜ。俺がお前にのされてから、寄り付きもしねえ」

 自嘲気味に言う龍児の顔はどこか寂しげだった。

「人間なんて寂しいもんだな」

 大人びた口調で呟く龍児に、拓海はなぜか親しみを覚えた。今まで誰に対しても抱いたことのない不思議な感覚だった。

 龍児はポケットから煙草の包みを取り出すと、慣れた手つきで一本取り出し、口に咥え、両肘をフェンスにかけてもたれかかった。

 拓海は両手をポケットに突っ込んで、龍児が煙草に火をつける様を眺めていた。

「煙草でも吸わんとやってられんぜ」

 紫煙を吐き出して呟く龍児を前に、拓海は思わずぷっと吹き出した。

「何だよ」

 龍児はむっとして言った。

「お前、バカみたいだよ」

「あ?」

 一瞬拓海をにらみつけた龍児は、やおら相好を崩した。

「違えねえ」

「何だよ、話って」

 拓海は水を向けた。

「もうすぐ夏休みだな」

 龍児の視線の先にはどこまでも青い空が広がっている。

「・・・」

「うちのじいちゃんがな・・・」

 龍児はおもむろに話し始めた。

「毎年会社の山荘でパーティーを開くんだよ。恒例行事ってやつさ。俺も行くんだけど、今年は友達を連れて来いって言うんだ。お前、来ない?」

 不器用な誘い文句が滑稽だったが、拓海は笑う気になれなかった。龍児の祖父がどんな人物かは知らないが、社長だか会長だか、南雲製薬という大会社のトップに君臨する人間だ。そこから直々にご指名がかかったのだとしたら、この招待にはどんな意味があるのだろう。孫を殴った相手の顔を見たいなどという魂胆があるとしたら、拓海にしてみれば敵地に乗り込むようなものだ。

「何で俺なんだよ」

「別に深い意味はない。本当だよ」

 龍児は困った顔をしている。

「行かないよ」

 気まずい思いをするのは目に見えている。そんな招待を受ける筋合いはない。

「誘う相手がいないんだよ、俺」

 龍児はまた遠くに視線を戻した。

「見たろ、さっきの連中の態度・・・。あんな奴ら誘う気にならねえし」

 しかし、よりによって拓海を誘うこともないだろう。

「声をかけてるのは俺だけか?」

「いや、まあ、他にもいるにはいるんだが・・・」

 龍児は言葉を濁した。

「誰だよ」

「北村夏美。知ってるだろ?うちの学校の・・・」

 拓海は顔をしかめた。事情は分からないが、面倒な話になりそうだ。

「あいつの父ちゃん、うちの会社の重役で、俺の親と仲がいいんだ」

「それが俺と何の関係があるんだよ」

「あいつ、来ないって言ってるんだ。去年までは毎年来てたくせに・・・」

 そう言えば、夏美は龍児を毛嫌いしている様子だった。面識のなかった拓海のところへ来てわざわざ愚痴をこぼすぐらいだから、余程腹に据えかねる事情があるのだろう。いずれにしろ、拓海には関わりのない話だ。

「お前が来るなら行くって言うんだよ、あいつ」

「え?」

 拓海は眉を吊り上げた。

「あいつ、お前のことが好きみたいでさ」

 龍児は淡々と告げた。

「関係ないだろ、俺には」

 勝手に話を進められては困る。

「そうなんだよ。関係ないんだよ。お前には」

 龍児は口を尖らせた。

「じゃあ、行かないよ。北村だって行かなくていいじゃないか」

「そういうわけには行かないんだよ」

「なんで」

「いや、毎年恒例の行事だし・・・。なあ、頼むよ。俺の顔を立てると思って」

 龍児は拓海を拝むような仕種をした。

 困り果てた挙句、自分に手を合わせる龍児を、拓海は憐れに思った。こいつにもプライドがあるだろうに。だが、受けるわけには行かない。聞けば、身内の集まりではないか。どう考えても、拓海には場違いだ。

「お前には窮屈な思いはさせねえから、絶対」

「お前の親に合わせる顔がないよ」

「そんなのはもう済んだことだ。お前の親父さんがわざわざうちに来て、筋を通してくれたじゃないか。うちのじいちゃんなんて、甘ったれた孫の根性をたたき直してくれたって、むしろ喜んでんだよ。お前の親父さんにもご足労をかけたって、恐縮してんだよ。お前に会えたら、きっと喜ぶよ。そんな人なんだよ」

「他の家族は?」

「親父もおふくろも話のわからねえ人間じゃないし、第一じいちゃんには頭が上がらない。俺だって自分が悪かったことは分かってるんだ」

「悪かったって、何が?」

 拓海は意外に思って聞き返した。

「あれ、夏美から聞いてないの?」

 今度は龍児が意外そうな顔をした。

 これと思い当たるようなことはない。

「あいつ、お前のことが好きなんだよ」

 それはさっき聞いた。だからどうだというのだ。

 首を傾げる拓海を前に、龍児は柄にもなく頬を赤く染めた。

「あいつ・・・俺のフィアンセなんだ。おれたち婚約してるんだ」

 拓海は顔を上げてまじまじと龍児の顔を見つめた。高校生と婚約という言葉が結びつかなかった。

「と言っても、親が決めた話だけどな」

 龍児は取り繕うように付け加えた。

 はあ、なるほど。夏美が龍児を毛嫌いしている理由が分かった。親の決めた結婚話に反発しているのだ。

「お前は?」

「え?」

「お前はどう思ってるんだよ」

「俺は・・・」

 言いよどむ龍児の顔は、まるで少年のようだった。

「俺はあいつが好きだから・・・」

 拓海は自分が告白されているような気まずさを覚えた。と同時に、自分が微妙な立場に立たされていることに気づいた。

「あいつがお前のことを好きだって聞かされたとき、俺、頭にきて・・・。それでお前に嫌がらせみたいなことしちまって・・・。我ながら情けねえことをしたよ。だから、殴られてすっきりしたんだ、俺。お前には感謝してるぐらいさ」

「だったら、尚更、俺は行かないほうがいいんじゃないか、お前んちのパーティーなんて・・・」

「俺が言いたいのは、そういうことじゃねえんだ。俺は、お前にもあいつにも来てほしいんだ。もう卑怯な真似はしねえ。堂々と勝負しようぜ。夏美をかけて」

 たたみかける龍児の顔は大真面目だった。

 が、少々的外れだ。拓海は北村夏美のことなど何とも思っていないのだ。

 拓海はぽりぽりと額を掻いた。

「おれ、こないだまであいつのこと知らなかったんだぜ」

「関係ねえよ。最近よく会ってるみてえじゃねえか、お前たち」

 やれやれ。どこから噂が流れるのか、口さがない連中のおしゃべりにはうんざりさせられる。

「学校帰りに一緒になるだけだよ」

 向こうが勝手についてくるだけだ、とまでは言わなかった。それにしても、なぜ自分が言い訳しなくてはならないのか。

 龍児は煙草を足下に落とし、靴の裏で踏み消した。拓海と向き合った彼の目は怒っていた。

「あいつはお前のことが好きなんだよ」

 拓海は溜息をついた。

「俺にどうしろって言うんだ。だいたい、お前おかしいじゃねえか。おれと北村をくっつけたがってるみたいだぜ」

 龍児の立場なら、普通は逆の行動をとるはずだ。

「おれは・・・」

 龍児は言いよどんだ。

「俺が言いたいのは、あいつの気持ちを考えてやれってことだよ」

「大きなおせわだ」

 不意に飛んできた龍児の拳が拓海の頬をとらえた。

 後ろによろめいた拓海は、しかし、殴り返さなかった。

「家に招待状送るからな。絶対来いよ」

 拓海を押しのけると、龍児は肩をいからせて校舎の中に消えていった。

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