フラディング

porksoup (ポークスープ)

ドイツと銀座での洪水

          


 2031年。ベルリンに大雨が降り、壁に描かれた絵の色が薄くなっている。カリーブルストの店に置かれているケチャップが入った容器や皿、子どものリュックサックなどが流されていった。


 銀座でも大雨が降り、マンホールから水が噴き出している。東京都立プラム高校の18歳で胸元に青い梅の実が描かれた制服を着た黒い短髪の三橋勇人は「ベルリンの壁の近くで洪水が起きたって」と肩まであるベージュの髪と青い目を持つ同級生のアウグストに話しかける。

 「200人が流されている」とアウグストが答えた時、勇人の妹で高校1年生のしおりの悲鳴が外から聞こえ二人はダウンコートを着て中庭へと向かう。


 「しおり!」中庭にある梅の木の上に座っていたしおりが、二人に駆け寄る。「兄さん、アウグストさん」アウグストが紺色の手袋を木からしおりの両手にはめると、顔を赤くしながら「ありがとうございます」と言った。

 アウグストの母で背中まであるベージュの髪を持つドイツ人のマルゴットが、3人に傘を渡し「道路にも水が流れ、歩きづらくなっているわ」と言う。

 

 4人が通った銀座駅でもキックボードやリュックサックなどが流されそうになっていたが、ブラジル出身の元サッカー選手で警備員のタンゴとその妻が持ち主の高校生や大学生の男女に渡していた。

 

 

 


 


           





         


 




 





 


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